
※記事公開時点(2026年5月)の内容をレポートしたものです。
- アジェンダ
- 1. GitHub Copilotは「コード補完」から「開発の相棒」へ
- 2. GitHub Universeで見えた「エージェント」という方向性
- 3. 最近のアップデート:開発組織として押さえておきたいポイント
- 4. GitHub本体のアップデート:周辺機能も着実に強化
- 5. まとめ:AIエージェントを前提にした開発フローへ
登壇者はこの方

大平かづみ
GitHub dockyardコミュニティ
(株)オルターブース
GitHub Starに選出。業務では、GitHub公認トレーナーとしてアドバイザリやトレーニング講師を務めています。技術コミュニティでは、GitHubを学び合う「GitHub dockyard」や女性エンジニアを応援する「Code Polaris」の立ち上げ・運営をはじめ、様々なコミュニティに携わっています。2024年に出産し、1歳児育児と仕事、コミュニティとの両立を模索中。
先日、「GitHub Copilot & GitHub 最新アップデート」というテーマのイベントに参加しました。内容は、GitHub Copilotの基本整理から始まり、GitHub Universe 2025で発表された内容、さらにその後のアップデートまでを一気に整理できる、非常に情報量の多いセッションでした。
登壇されたのは、GitHub StarでありGitHub公認トレーナーでもある大平かづみさん。単なる機能紹介だけではなく、「何がどう変わってきているのか」をラジオのトーク番組のように実体験を交えながらざっくばらんに語ってくださいました。
アジェンダ

アジェンダは次の4本立てでした。
- GitHub Copilot の概要
- GitHub Universe 2025 の発表とその後の動向
- GitHub Copilot のアップデート情報
- その他の GitHub 関連情報
最初に基礎を押さえて、そのあと最新情報に入っていく流れです。
このレポートでは、登壇資料と当日の内容をもとに、次の3つのポイントを中心に振り返りたいと思います。
- GitHub Copilotの今の立ち位置と、どう変わってきているか
- GitHub Universeで見えた「エージェント」という方向性
- 開発組織として押さえておきたい最近のアップデート
1. GitHub Copilotは「コード補完」から「開発の相棒」へ
まず、改めてGitHub Copilotがどのような位置づけのツールなのかが整理されていました。
以前は「エディタに入れておくと、次の数行を候補として提案してくれるツール」という印象が強かったと思います。
今はそこから一歩進んで、「開発を一緒に進めてくれる相棒」に近い存在になりつつあります。
登壇の中では、Copilotが関わる主な場面として、次のようなものが紹介されていました。
- エディタでのインライン補完
- チャットインタフェースによる相談やコーディング指示(エディタ、GitHub.comおよびモバイルアプリ)
- コーディングを自律的に任せられる「エージェント」機能
- プルリクエストのコードレビューを手伝う機能
つまり、「一部のコードを書くときにだけ出てくるツール」というよりは、「開発中ずっとそばにいるパートナー」に近づいてきている、という印象です。
1-1. 使える場所と、できること

Copilotは、すでに多くの開発環境で利用できます。エディタ(Visual Studio Codeなど)はもちろん、GitHubのWeb画面やモバイルアプリ、コマンドラインからも使えるようになっています。
• VS Code
• Visual Studio
• JetBrains IDE
• Eclipse
• Xcode
• Vim / Neovim
• GitHub.com
• GitHub Mobile
• GitHub CLI
など、かなり広い場所で使えることが紹介されました。
あらためて見ると、“エディタの中の補助機能”ではなく、開発体験全体にまたがる存在になっていることが分かります。
主な機能は、次の3つに整理されていました。


- インライン補完:開いているファイルや周辺のコードを見ながら、次に書きそうなコードを提案してくれる機能
- Copilot Chat:自然な言葉で質問したり、設計の相談をしたり、コードの生成をお願いできる機能
- エージェントとしての利用:いくつかの手順が必要な作業をまとめて依頼して、進捗を確認しながら進めてもらう機能
「1ファイル分のコードをサッと書いてもらう」だけでなく、「タスクを切り出して一緒に進める」イメージで使えるようになっている点が特徴といえそうです。
2. GitHub Universeで見えた「エージェント」という方向性

登壇の中盤では、「GitHub Universe」というGitHubの年次イベントで発表された内容が紹介されていました。特に印象的だったのは、「GitHub Copilotをいかに“チームの一員”として扱うか」という視点です。
2-1. Mission Control:AIに任せた作業を見える化する

ひとつ目のトピックは、「Mission Control」と呼ばれる構想です。具体的には、Copilotのエージェントが進めている作業の様子をまとめて確認できる仕組みとして紹介されていました。イメージとしては、次のようなことができます。
- エージェントに任せたタスクごとに、どんな指示が出され、どんなコミットが行われたかを一覧で確認できる
- 作業の途中で「ここはこうしてほしい」といったフィードバックを返し、その内容を反映してもらえる
「とりあえずAIに任せたけれど、何をしているのかよくわからない」という状態になりにくくするための仕掛けといえそうです。
2-2. Custom Agents:チーム専用のAIメンバーを用意する

次に紹介されていたのが、GitHub Copilotにおける「エージェント系」の機能拡充です。ここは非常に印象的なアップデートでした。
現在、Copilotは単に質問に答えるチャットにとどまらず、複雑なタスクを自律的にこなす方向へと進化しています。具体的には、以下のような機能が挙げられます。
- Copilot Chat の Agentモード: ユーザーの指示から実装プランを立て、実行までを担う。
- Copilot coding agent: 複数ステップにわたる実装を自律的に進める。
- Copilot code review: 変更内容に対して、人間のような視点でレビューを行う。
このように、AIが「都度回答するツール」から「一連の工程を担うパートナー」へと進化していることが示されました。
2-3.チーム専用の振る舞いを定義する「Custom Agents」
この進化をさらに実用的にするのが、「Custom Agents(旧Custom Mode)」という仕組みです。これは、特定の役割やルールをあらかじめ設定した専用エージェントを用意できる機能です。
Custom Agentsは、Copilot Chatにおいて「Ask」「Agent」「Plan」といった基本モードと並列に、独自のモードとして切り替えて利用できます。具体的には、以下のような活用が可能です。
- 独自ルールの徹底: フロントエンド用エージェントを用意し、チーム固有のフレームワークの作法やコーディングスタイルをプロンプトファイルとして定義しておく。
- 運用フローの自動化: 運用手順をまとめたファイルを読み込ませ、「この手順通りに実行してほしい」という指示を前提としたエージェントを作成する。
また、メインのエージェントがタスクをこなす際、特定のサブタスクにこの「Custom Agents」を割り当てて実行させることも可能です。
単にAIを使うのではなく、「自分たちのルールを深く理解したAIメンバーをプロジェクトに迎え入れる」。そんな開発スタイルの変化を強く感じさせる内容でした。
2-4. チャットツール連携やコードレビューなど、開発フロー全体へ拡大

開発の流れ全体をカバーするような機能も増えてきています。資料内でも次のようなポイントが紹介されていました。
- チャットツール(Slackなど)からAIエージェントを呼び出し、そのままコーディングを依頼できる連携
- コードの品質をスコアリングし、Copilotに修正案を出してもらう仕組み
- プルリクエスト全体の流れを踏まえた、コードレビューと修正提案。自動適用も設定可能
「コードを書くところ」だけでなく、「レビューや品質チェックまでまとめて支援する」方向に広がっている様子がうかがえました。
3. 最近のアップデート:開発組織として押さえておきたいポイント
登壇資料の後半では、ここ最近のCopilot周辺のアップデートが時系列で整理されていました。その中から、実際の開発チームでも意識しておきたい内容をいくつかピックアップします。
3-1. Copilot MemoryやAgent Skills:AIに「やり方」を覚えてもらう

まず取り上げられていたのが、「Copilot Memory」と「Agent Skills」という2つの機能です。
Copilot Memoryは、プロジェクトの文脈や過去のやり取りなどを覚えておき、次に活かすための仕組みです。何度も説明しなくても、「このプロジェクトはこういう前提で動いている」ということを理解した上で提案してくれるイメージです。
Agent Skillsは、特定のタスクの進め方を「スキル」としてまとめ、それをエージェントに教えておくための仕組みです。たとえば「定期的なメンテナンス作業」や「社内向けの設定ファイルの更新方法」など、毎回同じ手順で行いたい作業との相性が良さそうです。
これらをうまく活用すると、「最初は人がやり方を教え、徐々にAIが担当できる範囲を広げていく」といった形で、少しずつ役割分担を変えていけそうです。
3-2. Copilot CLI:ターミナルからもエージェントを活用

コマンドラインからCopilotを使える「Copilot CLI」も注目です。ターミナルで作業することが多いエンジニアにとっては、エディタを切り替えなくても、AIエージェントにタスクを依頼できる点がポイントです。
具体的には、タスクの計画を立ててもらったり(Planモード)、プロンプトを完遂するまでユーザーへの確認を行わず完全に自動で進めてもらったり(Autopilot機能)といった使い方ができると紹介されていました。
3-3. モデルやガバナンスまわりの改善

2026年3月にはプライバシーポリシーと利用規約の更新も行われ、4月24日以降は Copilot Free/Pro/Pro+ ユーザーのインタラクションデータ(入力・出力・コードスニペット等)がAIモデルの訓練・改善に活用されるようになる、というアナウンスがありました。
登壇の中で大平さんは、「Copilotのデータ利用や学習への使われ方は、一度きちんと設定を確認しておくのがおすすめです」とコメントされていました。なお、チームでCopilotを利用する場合は、ポリシーでメンバーが利用するCopilotの設定や機能を制御できるビジネス向けプラン(GitHub Copilot BusinessまたはGitHub Copilot Enterprise)を利用することで、安心してCopilotを活用しやすくなりそうです。
4. GitHub本体のアップデート:周辺機能も着実に強化
セッションの中では、Copilot以外のGitHub本体のアップデートにも触れられていました。細かい機能追加も含めて数多くありますが、ここではいくつか代表的なものを挙げます。
- GitHub Actions周りの改善:スケジュール実行の設定が柔軟になったことや、環境ごとに扱う情報を調整しやすくなったことなど
- GitHub Projectsの強化:親子関係のあるIssueを階層的に管理しやすくなり、プロジェクト全体の見通しを立てやすくなったこと
- セキュリティ機能の充実:依存パッケージの問題の検出や、シークレット情報の漏えいチェックなどが継続的に強化されていること
- データ所在地の選択肢の拡大:日本リージョンのデータ所在地付き GitHub Enterprise Cloud がGA(2025/12/18)し、コード/リポジトリデータを国内保存可能に。コンプライアンス要件の厳しい組織でも導入しやすくなってきていること
こうした周辺機能のアップデートが積み重なることで、「Copilotだけでなく、GitHub全体で開発フローを支える」という方向性がよりはっきりしてきているように感じました。
5. まとめ:AIエージェントを前提にした開発フローへ

全体を通して感じたこと
今回いちばん印象に残ったのは、GitHub Copilotがもはや“コード補完ツール”だけではないということです。
今のCopilotは、
- コードを書くのを手伝う
- 実装の計画を立てる
- タスクを進める
- レビューする
- 周辺ツールと連携する
といった形で、開発の流れ全体に入り込む存在になってきていました。資料のまとめでも、Copilotは「コード補完ツールから自律的なコーディングエージェントへ進化」と整理されていて、まさにその通りだなと感じました。
AIの活用は、ツールを導入して終わりではなく、「開発プロセスそのものをどう変えていくか」という話に少しずつ広がってきています。今回のイベントは、その変化を具体的な機能や事例とともに確認できる、良いきっかけになりました。
【参考リンク】
GitHub Copilot 実践活用最前線/2026年版・AIコーディングの現在地とこれから | ドクセル
▼GitHub Universe 2025 発表まとめ
全発表のまとめは公式レポートページへ
基調講演・セッション・デモのハイライトを日本語でご覧いただけます。



