こんにちは!TECH Street編集部です!
今回は2021年5月13日(木)に開催した、 「エンジニアの春の自由研究発表会」のイベントレポートお届けいたします。
自由研究発表会は今回でなんと3回目!業務外でITエンジニアが個人的に本気で取り組んだ内容を発表いただきました^^
登壇者はこちらの5名!(登壇順に記載しております)
・発明家の小栗さん
・ななみんさん
・冨平 準喜さん
・ニッチほそかわさん
・とは(towa)さん
皆さんは、ゴールデンウィークに自由研究(勉強)をしましたか?◎ファシリテーターであるMitzさんもなにやらJetson Nanoを使った自由研究に取り組んだそうです…!まだ未達とのことですが、完成が楽しみですね!
それでは、早速それぞれの自由研究について紹介してまいります◎
UI変わりゃあ世界も変わる、これがクリエイティブUIです/発明家の小栗さん
ロボットやゲームなど様々なものを発明されてきた小栗さん。今回はクリエイティブUIについての自由研究を発表いただきました^^
UIが加わることで、技術屋のためのツールが一般の人たちが使う身近なツールに変わっていく。
例えばウォークマンは音楽の再生に持ち運べるというUIを加えたもの、リモコンは遠隔でテレビを操作できるというUIを加えたもの、など元々の機能は変わらなくてもUIが変わることで使い方や文化まで変わってしまうということに気づいた小栗さん。
そんな発明家の小栗さんは、PCを操作する新しいUIの開発をひらめきます。
PCは全てキーボードで操作できる
↓
キーボードの操作を自動化する
↓
PC操作ができるようになるのでは?!
参加者の皆さんからは「そんな発想なかった!」という驚きのコメントが!w
そこで作成したのがこちらの自動キーボード。一連のキーボード入力を登録し、一つのボタンに集約したものです。何を押したら良いかというプログラムはブラウザからSDカードに書き込むような仕組みで作成しました。
このクリエイティブUIの使い道は上記のようなものも。(いたずら・スパイ活動!)
クリエイティブUIは、光や音・人感・温度・湿度・画像認識・音声認識・動態・色・煙・振動・匂い・時間・電波・時期・AI・スマートスピーカーなどのあらゆるセンサーを使って拡張することもできます。
このように、様々な用途で活用可能なクリエイティブUIの実用化を目指しているそうです。たくさんの人に役立つUIが、また新しい文化を生み出していくことが楽しみですね◎
登壇資料
IoT樽に挑戦!/ななみんさん
通信会社に勤務し、自転車シェアサービスの立ち上げやFintechサービスの立ち上げなどを経験されてきたななみんさん。一戸建てのおうちへの引っ越しをきっかけに自宅のIoT化に挑戦中で、自由研究イベントは3度目の登壇^^今回はIoT樽についての自由研究をご紹介いただきました!
近頃、熟成ウイスキーや熟成日本酒(古酒)が高値で売買されていることをご存知でしょうか?これらの熟成酒は長期保存で作られるため、温度や湿度、振動、保存状態が製造のカギになるのだとか。これらの製造における樽管理はこれまで人が管理してきましたが、IoT化できるのではないかとひらめいたそうです。
まず、今回、測定したいデータとしては下記が挙げられます。
・温度/湿度:保管条件(まずは15℃〜25℃、45%〜85%の範囲内を目指す)
・重量:「エンジェルズシェア(バーボン:乾燥地帯では初年度で10~18%)」の量
・振動:保管条件、盗難発見
・照度:直射日光にさらされていないか
長期の計測が必要なので、給電の仕組みやIoTプラットフォームの選択、機器の耐久性も大切な要素なのだとか。
今回の自由研究では、温度と湿度はSwitchbotのIoT温度湿度計、重量はIoT重量計のSmartMat Liteを使用することに。
ところが、このIoT重量計、Amazon上で提携している商品にしか使うことができないことが判明。一旦は頓挫しかけましたが、、、
「樽+お酒」の重量が、Amazon提携商品の100%の商品重量と同じになるように設定しすることで解決。(SmartMatさんごめんなさいww)
そして完成したのがこちら。下に敷いてあるのがIoT重量計、右に置いてあるのがIoT温度湿度計です。右上のグラフが、温度・湿度、右下図が重量の計測結果。なかなか理想の温度・湿度を保ちながら管理していくのは難しいようです…!
このIoT樽は、今後Barなどでボトルキープならぬ樽キープ、という新しい文化を生み出すきっかけになるのでは!?と、ななみんさんは考えているそう。また、振動探知、照度探知を実装することで、輸送時の品質管理にも役立つのでは!というアイディアも。
これまで、IoTが導入されていなかった製造過程に、IoTを導入することでより品質の高い商材が作られてくる可能性がありますね◎今後の発展に期待です!
登壇資料
個人開発でもグロースできる!?プロダクト設計(Twitter編)/冨平 準喜さん
全国高専プログラミングコンテストにて最優秀賞、文部科学大臣賞を受賞、ものづくり大賞内閣総理大臣賞を受賞といったすごい受賞歴を持つ冨平さん…!
これまで、音声認識のリスニングアプリやAIで議事録取れる君など、様々なものを開発されてきました!
その中でも、Comment Screen(コメントスクリーン)の利用者数がどんどん伸びているそう。元々はコロナ前に個人開発したものですが、コロナ禍で利用者が伸び、現在は法人化して運用しているそうです。今回の発表中もコメントスクリーンを使いながら発表いただきましたよ♪
今回は、このコメントスクリーンのように、個人開発からグロースすることができるプロダクト開発についてご共有いただきました!
プロダクト開発は、バイラル性が重要!
Clubhouseを例にとると、認知するにも、登録するにも、配信を聞くにも話すにも、全てがシェアにつながっています。個人開発ではお金がないことが多々ありますがこのようにシェアにつながるバイラル性を意識して開発することで、お金をかけずにグロースすることが可能です。
このバイラル性を活かして開発したのが「フォロワー増える君」というツール。
こちらは、自動で相互フォローをしてくれるツールで、Twitter APIでトークン取得ができているアカウント同士でサーバが自動にフォローとフォローバックを行なってくれます。
フォロワー増える君にアクセスしてフォロワーのカテゴリを選ぶと、その後すぐに3人、翌日からは毎日5人から自動でフォローされる仕組みになっています。
Clubhouseから学び、全てがシェアにつながるように設計し、今回のイベントギリギリまで開発したツールとのこと!(ありがとうございます涙)参加者からは、「フォロワー増える君は企業アカウントに導入してもらうと良いかも!」という声も。今後どんどん伸びていくのに期待です◎
あの音をノイズキャンセル⁉/ニッチほそかわさん
無人島生活をしてみたりニッチな人を見つけて取材したり、とにかくマニアックなことがすきなニッチほそかわさん。プログラミングに興味をもちプログラマーアイドルのメンバーになった経験もあり、卒業後はITライターとしてIoTエンジニアを取材や、電子工作系YouTubeに出演されています。
発表冒頭で、ほそかわさんから
「皆さんはアイドルが2種類いることをご存知ですか?」こんな疑問を投げかけられました。
その2種類とは、、、
おならをするアイドルか、しないアイドルか。の2種類!!!(笑)
実は、アイドル時代、SHOWROOMの生配信中におならをしてしまった経験があるほそかわさん。その時は、何事もなかったように配信を続けましたが、とても焦った経験だったそう…!
そこで、「どうにかおならの音を消せないだろうか?」というひらめきが生まれました。
そこで活用したのが「ノイズキャンセル」の原理。ノイズキャンセルは、マイクで拾った音の逆の音波をスピーカーで流すことでノイズを無音化します。この原理を活かし、何パターンかのおならの音を学習させて逆位相変換してスピーカーで流せばおならの音が消せるのでは?とひらめいたそうです!
ここで使用したのがTeachable Machine。画像・音声・ポーズなどを認識し、機械学習モデルを簡単に作成できるツールで、専門知識やコーディングが不要なのです!
今回は、フリー素材サイトのおならの音を使い、おならの音を学習させます。
環境音とおならの音を学習させて、トレーニングするとおならの音を認識できるような仕組みに。
残念ながら、この発表までにノイズキャンセルまではできなかったそうなのですが、代わりに「おならの音を検知したら代わりに謝ってくれる猫」を作ったそうです。(また、発想が独特で流石です!笑)
Teachable Machineで機械学習させた音声認識データをScratchでプログラミングし、こちらは大成功!
今後、この機能を使ってさらに改善していくならば、テレビの音や掃除機の音のように「わざと消している感のないような音」を消していければと考えているそうです
参加者からは、医療にも活かせそう、というコメントも!この分野は、今後さらに便利になっていきそうな予感ですね…◎
ゼロから始めるノーコード生活/とは(towa)さん
最新技術やガジェットが好きなバーチャルマーケターのとは(towa)さん。 エンジニアではないけれど、ノーコード・ローコードなら自分でやりたい!ということで、ゼロから始めるノーコード生活をテーマにお話いただきました◎
今回は、家を建てるために必要な情報を管理するDXアプリを作成しました。
きっかけは、不動産業界のDXが進んでいない状況に気づいたこと。
・紙の書類が多すぎる
・ファイル重すぎ
・情報散らかりすぎ
・契約の手間かかりすぎ
・無駄な印紙代高すぎ
...確かに....のオンパレードですね。
開発にあたる要件は下記の通りで設定したそうです。
具体的にはこんな手順で開発を開始しました。
①要件を整理
②AppSheetのアカウントを作成
③ドキュメントを見たけど英語なので後回し
④とりあえずスプレッドシートに必要そうなカラムなどを作る
⑤AppSheetから呼び出してみる
⑥できた。簡単すぎた。
⑦UXをいじってみる
⑧Automationなどの機能をいじり、、、
アカウント作成から4時間後、アプリが無事完成!凄いスピード感です!w
今回AppSheetを使っての開発でしたが、非常にわかりやすくリアルタイムでプレビューが表示される機能も便利だったそうです。一方で、ドキュメントやAppSheetを使ってみた!という記事はまだ多くなく、その点は今後に期待しているそう。また、オートメーション機能があるので色々な機能を盛り込んだアプリを作ることができ、拡張性が高いところも評価できる◎
実際にこのアプリを使用するために、こんな工夫も!
・機能リクエストを作った
・更新が少ないものをダッシュボードに参照のみで表示できるUIに
・IFTTTも使い、音声アシスタントで入力や参照、更新をLINEに通知するなどの機能を追加
今後は、今までの紙を全消しするために、同じ形式の書類をOCRで読み取ってデータベース化することを構想中。また、電子署名(Signature機能)をスマホでかける機能も追加したいそうです!
エンジニアでなくてもエンジニアリングができるという非常にいい事例をご紹介いただきました!
まとめ
毎回大好評のこの自由研究企画。自身の経験から、ひらめく→試行錯誤する→形にするという過程を見られてとてもワクワクしました◎次回は 一体どんなひらめきが登場するのか...またまた楽しみです◎
運営と登壇者の集合写真
登壇者へのご質問
“(Q)自由研究をするための調べ物をするときに一番使う媒体は何ですか?書籍?ググる?”
小栗さん:ググってから、キーワードで書籍です。
ななみんさん:いつもはググりましたが、今回は日本酒関連の本も買って調べました。
ニッチさん:人に聞きます。
とは(towa)さん:ググるか、詳しい人を知っていたら直接聞きます。
“(Q)マウスは何派ですか?”
小栗さん:普通の安いマウスを使っています。
ななみんさん:使わないので手がカサカサです。
ニッチさん:昆虫展で買った、中にカナブンが入っているマウスを使っています。
“(Q)あなたにとって自由研究とは?”
小栗さん:面白いものを作ること
ななみんさん:人生そのものが自由研究という感じです。
ニッチさん:日常が自由研究です!
とは(towa)さん:衝動ですね。やらずにはいられなくなってしまいます。
“(Q)ネタはどんなときに思いつきますか?”
小栗さん:何かを見てハッと突然思いつきますね。
ななみんさん:私も常に面白いことを探して思いついたらメモしています。
ニッチさん:既存のあるもので欲しいと思うタイミングですね。
とは(towa)さん:欲しいと思って思いつくか、調べ物をしながら絞り出します。
“(Q)皆さんは一年に本を何冊読まれますか?”
小栗さん:GW中はUnityの古本を読みました。年で十数冊くらい読んでいます。
ななみんさん:あまり読むほうではないですが、日本酒など自分があまり触れてこなかったジャンルに触れるときは読む感じですね。
ニッチさん:最近はプログラミング系の本を読んでいますが小説も読むので、一年で30冊くらいは読んでいます。
とは(towa)さん:電子書籍を50~60冊くらい買っています。オススメは昆虫図鑑です。
イベントレポートは以上です!次回のイベントもお楽しみに。