【イベント主催レポート】国内事業会社のTech組織マネジメントトーク

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こんにちは!TECH Street編集部です。

今回は、2020年7月16日に開催されたTECH Street主催国内事業会社のTech組織マネジメントトーク コロナ禍における変化・課題とITエンジニアに向けたメッセージ のイベントレポートをお届けしていきます!

Tech組織マネジメントトーク

コロナ禍において、社会の変化・働く環境の変化により今後のキャリアなどに対して不安や課題を抱えている…という声をよく聞くようになりました。

今回は、Tech組織マネジメントトークということで、Retty、スマートニュース、パーソルキャリアの3社のTech組織を牽引する方々にお集まりいただき、コロナ禍における事業会社としての変化や課題等を、実例を元に語っていただきました!

課題に対して、各事業会社はどう乗り越えてきたのか、さらにはこれからの世の中を牽引するデジタルパイオニア世代のITエンジニアにむけて“今だからこそ何を”するべきなのか、パネラーそれぞれの視点で語っていただきましたよ◎

登壇者

f:id:pcads_media:20200727111819j:plain〈パネラー〉
三口 聡之介氏(パーソルキャリア株式会社

樽石 将人氏(Retty Innovation Lab)

森山 大朗氏(スマートニュース株式会社)

 〈モデレーター〉
斉藤 孝章氏(パーソルキャリア株式会社

それでは、当日のトークの様子をご覧ください。

 

トーク内容

はじめに、各社のリモートワークについて

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斉藤氏:イベントを実施するにあたり、参加者の方々に事前アンケートを取ったのですが、リモートワークについてのリクエストが多かったので、まずは皆さんのリモートワーク実施状況について聞かせて下さい。まずは樽石さんいかがでしょうか。

樽石氏:ここ数ヶ月で結構変わっていますね。緊急事態宣言下ではフルリモートでしたし、解除後はリモート推奨、現在は一部出社も取り入れるという状態です。フェーズごとに社員からの声を集めて課題を潰す、PDCAを回しながら探っている途中になります。

森山氏:スマートニュースは、僕の記憶では3月中旬前からほぼ全社員フルリモートになっています。ただ、特にエンジニアについてはその前から自主的にリモートの割合を増やしていましたね。例えば、マシンラーニングエンジニアは中国にもオフィスがあるので、危機意識が高くもっと早くからリモートしていました。

前職のメルカリのメンバーに話も聞きましたが、全職種フルリモートで、オフィスが廃墟みたいだ、なんて言っていましたね。

三口氏:各部署によって特色はありますが、僕の担当している組織については、2月末でフルリモートに切り替えていました。現在でも、なにか理由があって出社しなければいけないことがなければ基本リモート、という働き方をしています。

 

リモートワークの“生産性”について

斉藤氏:皆さん、ありがとうございます。今のお話から深堀りしたいのですが、リモートワークになってから開発における生産性って何か変化はあったのでしょうか。

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樽石氏:生産性については正直データがあるわけではないのでヒアリングベースになりますが、エンジニアについては比較的変わっていない・良くなったという人が多いかもしれないですね。特に遠方に住んでいる、夜型の人は生産性が上がったという話は聞きますね。

斉藤氏:僕も実は遠方に住んでいるのですが、通勤時間の短縮でミーティングができるなど生産性については上がったなあと感覚的に感じます。森山さんはどうでしょうか?

森山氏:そうですね、エンジニアに絞った話でいうと、長時間集中できる空間を家に確保できていた方は比較的影響を受けなかったのではないかと思います。

都内に住んでいて、オフィスが快適だというエンジニアもいたわけで、そんな人達は環境を整えるまでのタイムラグがあったのではないでしょうか。お子さんがいるかエンジニアもいますし、人による部分はありますよね。

一方で、問題提起したいのですが、生産性上がったかというアンケートにみんな正直に答えているのか?という部分は懐疑的ですね。僕はプロダクトマネージャーなので、お客様は嘘をつくという前提で考えています。「アンケートをとった結果、生産性が上がりました」っていう直列の論理って通用するのだろうか、という見方をしています。

斉藤氏:いやーでも、立場上「生産性上がった」って言いがちだなと感じました。そこを信じていいのかっていう部分はおっしゃるとおりだな、とちょっと心が痛みました(笑)世の中ちょっと暗い話題も多いので、マネジメント側は多少なりとも明るくしなければいけない、というプレッシャーもあったりして。ちなみに三口さんはいかがですか?

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三口氏:あまり変わらなかったという印象です。僕たちは元からリモート推奨だったり、開発の拠点として東京以外にも仙台オフィスがあったりと、常時ビデオオンで接続もずっとしていたので。

もちろん通勤時間が減った分、別のことに当てられたりしますが、単位時間の生産性というのはあまり変わっていないのではないか、という意見です。

そもそもエンジニアの人たちって在宅のほうがいいっていう方が多いですよね。ですからアンケートなどにおいて「生産性が上がった」っていう回答をすれば在宅になる、という部分もあるかもしれないですね(笑) 

 

中途採用、人材育成における不便と取り組みについて

斉藤氏:この時期においても各社採用は続けていると思います。中途採用などにおける不便ってかなりあるのではないでしょうか。なにか採用や育成における取り組みの事例がございましたら教えて下さい。

樽石氏:人材育成という観点でお話をします。実は今月から、僕が開発の現場に入っているのですが、新人のように振る舞っていて「これがわからないのですが、どうすればいいのですか?」と質問をめちゃくちゃ投げています(笑)

Slack上の開発チャンネルでいろいろ質問するのですが、そうすると結構皆さん応えてくれてくれるのですよね。その回答などをピン止めしておいて、まず何をすればいいのかというのをslack上で新しい方々に届くような工夫をしています。

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森山氏:中途採用っていう意味だと、むしろコロナ前よりも今のほうが順調だと思います。特にマシーンラーニングエンジニアについては優秀な方々が入ってきて成功体験を持ち込んでくれていたりしますね。

USについても、人材の流動化が激しくなっているので、これまで取れなかった人をとれる一世一代のチャンスだ、なんていう感じもあります。

ただ、入社後の活躍についてはまだまだ課題が出てくると思うんですよね、そこはオンボーディングで必要な情報を必要な方にお渡ししていくことが求められますが、急成長中の企業っておざなりだったりします。僕の時もそうでしたが、今後より重要視しなければいけないなとは感じています。

三口氏: オンボーディングについてですが、コロナ以前から全社としての研修以外に、部署独自での取り組みも進めていました。

皆さんのイメージ通りかもしれないですが(笑)、パーソルキャリアは5000名の規模で動いていることもあり、全社的な手続きやフローが多いんです。それに困る人もたくさんいるので、ストック型の情報としてesaを使い、次の人のために情報をアップデートしていってねということは取り組んでいます。

 

コロナ禍の変化について

斉藤氏:これまで「リモートワーク」というテーマでお話を伺ってきましたが、ここからは「コロナ禍における変化」について聞かせてください。いろんな変化があって、メリットもデメリットもあると思うのですが、まずは樽石さんからお話ください。

樽石氏:うちの場合は、飲食のサービスを運営していることもありかなり影響を受けるのですよね。とはいえ、当社は飲食店を直接しているわけではなく間接的に支援しているのですが、コロナ禍において起きた事例として従業員が飲食店をどう支援するのか真剣に、そして自分ごと化してアクションしてくれた、ということがありました。資料の方も共有します。

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コロナ禍に従業員が主体となって取り組んだ「飲食店応援PJ」が一部抜粋でもこれだけあるのですよね。しかもすごいスピードで取り組んでいてくれていて。個人的には感動して、これも踏まえて経営陣も経営として何ができるのかってすごく考えていたりするようです。

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森山氏:コロナの影響については、結構如実に感じています。それに対してトップダウンでやったほうがいいこと、ボトムアップでやったほうがいいことの両方あってスマートニュースでは両方を見ることができましたね。

まず、トップダウンについてはこれから危機が来る状況で、社員を安心するメッセージを意識的に出してくれていました。インフラコストなどを見直す方向ではあるものの、社員の雇用を守る前提というような。

やはり弊社のマネタイズの手法は広告なので、やはりある程度の影響は受けます。この状況に対して、ボトムアップでは「スマニューコロナチャンネル作ろうぜ」というのがすぐに有志で出ました。

広告でマネタイズをしようにもプロダクト自体のユーザー数が伸ばさないといけないので、コロナというピンチをどうチャンスに変えるか、という捉え方は非常に大事だと思っていて、まさに危機を追い風に変えることができた事例だと思います。

三口氏:僕らは転職サービスもやっているのでその話もしたいのですが、森山さんも先ほどおっしゃっていたように、今まで出てこなかった人材が出てきているな、というのは感じます。

このタイミングで採用に力を入れる企業も増えています。大企業が安心だよねという状況から、大企業はテレワークへの移行が遅いなどネガティブな面も浮き彫りになり、働く人々の意識が変化してきていることが背景にあると思います。

組織の話でいうと、緊急事態宣言が解除されたあとでもエンジニアの中ではテレワークは不可逆、当たり前のものになっているのではないかなと。

ただその中でマネジメントの問題としては、自然発生的に始まっていた雑談=情報の並列化がなくなっていることを意識して、雑談を強制的に作る、オンラインで顔を出して仕事をするなどやり方としてはあるのではないかなと思っていて。なので、このタイミングで出社に戻すのではなく、どんどん在宅の制度を整えていかなければいけないと考えています。

 

最後に、エンジニアの方々へ一言

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斉藤氏:皆さん、ありがとうございます。まだまだ聞き足りないことがたくさんありますが、そろそろお時間が迫ってきておりますので最後に一言ずつ参加者の方にメッセージをお願いいたします。デジタルパイオニア世代のみなさんに、これからどうすればいいのか、どうしていくべきだとお考えなのか一言ずつお願いできればと思います。

樽石氏:エンジニアの場合、プロダクトを使う相手のことを考える、今のこの状況下で何をしなければいけないのか、なんのためにするのかを考えるべきだと思っています

コロナをいいきっかけにするのであれば、プロダクトが出来上がったあとの状態を想像しながら作る、デジタルを使って、withコロナをどうしたらいいのか、afterコロナはどうするのか中長期に物事を考えていくといいのではと思っています。

森山氏:僕は、あえてぶらぶらしてみるほうが良いと思っています。状況次第ですが、コードを書かずに飲食店に行ってお店を応援するとかですね。あとはリモートで働けるので、渡航制限が解除されている国に行って、実際に働いてみるとかも今ならできると思います。

できないことをトライアルできる時期だと思うので、それをオンラインでもオフラインでもやったほうがいいと思います。オンラインでもぶらついたほうが良いと思っています。

三口氏:デジタルパイオニア世代って、変化を余儀なくされてきた世代と思っています。今回その大きな変化に対して、変化に強い人たちが集まっているのでは、と僕は思います。この世代の人たちに時代を前に進めてもらいたい、本来あるべき姿に進めていってほしいなと思います。

例えばキャッシュレス、地方活性化、ペーパーレス、などあると思います。テクノロジーを使いどんどん世の中を変える、この時代だからこそいけるところまですすめてもらい、さらにその先の世界でスタンダードになるようなサービスを皆さんに作っていっていただけたらと思います

 

まとめ

Tech組織トークはいかがでしたでしょうか?当日は100名弱の参加者が集まり、事前アンケートでも多かった“リモートワーク”についての話がかなり盛り上がりました♪

各社まだまだ課題に取り組んでいる途中…ということが多々ありながらも環境に合わせた努力をし続けていること、そして変化に対するポジティブな姿勢がとても印象的でした!
参加者の方からはこんな感想もいただきましたよ。

参加者からの声

 リモート下でなかなか他の会社がどのように対応されているか情報が集まりにくい中、実例も交えてお話いただき大変参考になりました。

 色んなIT企業の事例が聞けてよかったです。当社と同じ感じだな、ということと、もっとこうしなきゃいけないいけないな、ということ、両方が知れて収穫が大きかったです。

 コロナ禍でリモートを強いられた他の会社の様子がよくわかり、尚且つ非常に前向きに進んでいることが感じられました。

 

参加者の方々からのコメントだけでなく、イベント中のリアルなコメントについてはTwitterのハッシュタグ #テクストエンジニア もチェックしてみてくださいね。 

最後に、今回ご登壇頂いた皆さま、参加者の皆さま、ありがとうございました!以上で今回のイベントレポートは以上となります♪今後のイベントもお楽しみに。