
こんにちは、TECH Street編集部です!
この記事では、2025年6月26日(木)に開催した「PdM×PMMプロダクトを成功に導くフレームワークセミナー/事業会社による体制構築事例」の登壇者の発表内容の紹介と、イベント中に回答しきれなかったQ&Aを記載しています。
登壇者はこちらの方々!

吉澤和之 氏
株式会社アイスリーデザイン
取締役
ライター、クリエイティブデイレクターを経験後、外資系MarTech企業に転職。新規事業開発やマーケティングなどに従事。その後、個人で事業コンサルティングを行う傍ら、ニューヨーク発IT企業の日本進出支援、Repro株式会社にてCBDOなどを歴任。2020年6月からは台湾発AIテックのawooに参画し、日本市場開発責任者として日本法人の立ち上げとグロースを成功させる。

真崎 豪太 氏
パーソルキャリア株式会社
dodaダイレクト プロダクトマネジメント部
ゼネラルマネジャー
新卒でソフトバンクに入社し、DXプロジェクトマネージャー(PjM)やMysoftbankのプロダクトマネージャー(PdM)を担当。その後、正社員としてAkerun Pro、タクシーアプリGO、メルカリの新規事業のPdMを担当し、フリーランスとしてスタートアップ数社に携わる。2024年よりパーソルキャリアにて「dodaダイレクト」のゼネラルマネジャーを務める。

道家 俊輔 氏
株式会社ギアソリューションズ
代表取締役
リクルート・消費財メーカー・小売系シンクタンクにて、事業戦略・DX戦略・事業開発に従事した後、2024年よりギアソリューションズを創業。1-10フェーズのグロースアウトソーシング事業を展開し、スタートアップから上場企業まで幅広いクライアントの事業成長を支援。

重松 裕三 氏
株式会社SmartHR
プロダクトマーケティングマネージャー
コンシューマー向けプロダクトを開発する企業で、プロダクトマネージャーとして新規事業の立ち上げを複数手掛ける。2019年、SmartHRにプロダクトマーケティングマネージャーとして入社。タレントマネジメント事業の立ち上げの後、現在はSmartHRのプロダクトマーケティング全体を統括。
PdM×PMMプロダクト成功に導く体制構築フレームワーク
7,000名規模の人材サービス企業におけるPMM・PdM体制構築
スタートアップのPMM実践論。限られたリソース下で事業をグロースする手法。
SmartHRのPMM組織について
Q&Aコーナー
(Q)PMMが最も活きるプロジェクト規模(逆に活きない規模)をお聞きしたいです
吉澤:PMMが活きるかどうかは、プロジェクトの「成熟度」によって変わることが多いです。プロジェクト規模に応じて、PMMは必ず活きてくると思います。
真崎:個人的な経験としては、どのフェーズでもPMMは必要だと思っています。
道家:プロジェクト規模問わず「マーケットを捉えてビジネスに落とす役割」は必要だと思っています。個人的な好みとしては、アーリーフェーズのほうが打ち手の幅が広いので、市場の声をもとにした打ち手は打ちやすいとは思っています。
重松:プロダクトについてはいずれのフェーズでも活きると思いますが、どちらかというと組織の規模やプロダクトの数の方が影響が大きそうです。組織の規模(マーケ, IS, セールス, CS等)の人員増大やプロダクトが複数になること伴いコミュニケーションの難易度が上がると思います。
(Q)PMM職種の募集も増えてきてますか?これはパーソルキャリアさんが良い情報持ってるかな?
吉澤:少しずつ増えてきていると感じています。
真崎:内部データはぱっと出せないのですが、公開求人を調べてみると都内を中心に100を超える求人を確認できます。私の感覚としては、ここ2~3年で倍々で増えてきている印象があります。
道家:私は支援会社をしていますが、相談は増えています。
重松:肌感ですがかなり増えてきていますね。もともとPMMやってた人から転職してくる人もじわじわ増えてきました。一方でやっぱやめたって企業も聞いたりするので揺り戻しはありそうですね。
(Q)どれくらいの規模からPdMの手が回らなくなりますか?目安を知りたいです
真崎:個人的な経験としては、サービスフェーズが1→10(本サービスがスタートした後)になると、手が回らなくなるケースが多くなります。
(Q)昔、エンジニア経験のないPdMに当たって苦労した経験があります。(当方エンジニア)、PMMはビジネス面の担当と受け取ったのですが、テック領域の理解は無しでも成り立ちますでしょうか?
吉澤:成り立ちますが、その場合はPdMがテクノロジー領域の知識をしっかり持っていることが前提になります。PMMとPdMがお互いの領域を少しでも理解し合おうとする姿勢は、やはり重要だと思います。
真崎:「できるPMM」というのはテック領域への理解が深いことが多いです。どのようにテックを理解してビジネス展開するかの理解と創造性が一定程度求められると思います。
重松:なくても大丈夫だと思います。とはいえあると開発サイドとのコミュニケーションが円滑になることもあるので、学ぶ姿勢があるとより良いかなとは思います。
(Q)この領域・職域で、流行りの生成AI活用のお話はありますか?
吉澤:マーケティングや営業と同様に、生成AIを活用して業務の自動化を進める動きがあります。特に、AIを活用して意思決定や企画立案を支援する「AI駆動型PM」との共通点も多いと感じています。
真崎:企画についてはCursorを一定利用しているPMMの方が出てきている印象があります。リサーチ・企画のたたき・ドキュメント化を効率化できているのかと思います。また、最近では「バイブマーケティング(バイブコーディングならぬ)」というアメリカの記事を見つけました。
道家:業務効率化の武器としてAI活用は必須だと思っています
重松:Cursorを使ってる人はいますね。NotebokLMはかなり活用しています。
(Q)PMMとPdMのスキルピースを埋めていく難しさに直面してます。どちらかが社歴長いと結局どちらかに決定権バランスが崩れたりするので、そのあたりをみなさんどのように采配バランス整えているのでしょうか
吉澤:パワーバランスの偏りはどうしても発生しがちなので、第三者的な視点で意思決定に関与できる人物がいると良いと思います。
真崎:責任の持たせ方で役割分担ができるのでは、と考えています。具体的に、PMMはPLに責任をもち、PdMは体験(NSMやNPSなど)に責任を持つのがよいかと考えます。
道家:担う役割の明確化が必要だと思います。当社の支援では企業特性によりPdM・PMMどちらが何を担うかを規定しています(必要なら追って変更もかけます)
重松:それぞれの事項について最終的な意思決定をどちらが行うかを明確にするのは良さそうです。プロダクトの方針はPM、ビジネス上の戦略はPMM、といった形で役割分担できると良いと思います。2人の間で決めきれない場合は上長などがサポートに入る必要もあるかもしれません。
(Q)スタートアップにおいて一人目PMMは、社内のPdM(もしくはセールス・CS)をジョブチェンジさせるべきか、それとも採用するべきかご意見伺いたいです
吉澤:スタートアップの初期段階であれば、社内の人材を育成する方が良いと思います。スタートアップにいる時点で優秀な方が多いはずなので、そうしたメンバーの中からPMMの役割を担える人材を育てていくのが効果的だと考えます。
真崎:可能であれば採用を進めるのが良いですが、採用が難しい場合はPdMなどからのジョブチェンジを個人的におすすめしています。
道家:信頼できる方がいればアウトソースすることも良いかと思います。
・採用:ミスマッチした時のインパクトが大きい
・育成:時間がかかる。事業グロースタイミングを逃すリスクがあります。
①リファラルで採用 ②信頼できる人へのアウトソース ③育成かなという所感です。
重松:ある程度社内の事情を知っている人が異動してきてPMMをやったほうが、社内の地位確立という意味では重要かな〜と思っています。
(Q)PdMからPMMにジョブチェンジする場合、どのようにセールス・マーケのスキルを育てていくのが良いのでしょうか
吉澤:詳細はPDFに記載しています!営業と一緒にセールストークスクリプトを作成するなど、実務を通じて少しずつ協力しながら取り組むのが効果的です。こうした積み重ねによって、セールスやマーケティングのスキルも身についていきます。
真崎:基本はOJTで実務を通じるのが一番良いと感じています。また書籍で学べる内容などについては、輪読会や、いまならNotebookKLに読み込ませてクイズ作ってもらって知識を貯めていくのも良いかと思います。
道家:もし可能なら、社内での部署異動や兼務を通じて「そのポジションを経験する」ことが一番の近道と思います。
重松:GTM戦略を検討するとbizサイドメンバーとのコミュニケーションが必要になり解像度が一気に上がるので、こういった場で少しずつOJTしていただくと良さそうに思います。
(Q)パーソルさんの体制で、PMM複数?とお見受けしましたが、PMM内でリーダーとかトップ等の体制はありましたか?
真崎:PMMのトップとして本部長がいて、PMMの中でも組織化されている(マネージャーとメンバーがいる)状況です!
(Q)組織がおおきくなると相談窓口とか連携とかぐちゃぐちゃになりやすくなりますよね。調整業務で企画工数が取れなくなるあるある、わかります、、
真崎:そうなんです…個人的には「ビジネスPjM」という職種がもっと一般的になってほしい気持ちでいっぱいです!
(Q)PMM組織を作ってすでに圧倒的な効果を感じる(効果が出ている)でしょうか。組織内で最も評価されたポイントがあればお聞きしたいです。
真崎:これまでもPMMと言っていなかったけど同じような動きをしていた方々はいらして、その方々に「ネーム」を与えたのが今の状況ですので、良い意味でも悪い意味でも大きな変化が生じていないのが現状です。ただし、「職種名」が与えられることで専門性への意識と学習意欲の高まりは感じていますので、育成にも力をいれていきたいと考えています。
(Q)PdM : PMMの比率はどれくらいが適切なのでしょうか?比率を決める要素としてどのようなものを考慮すべきかも合わせてお聞きしたいです。よろしくお願いします。
真崎:PMMがどの程度マーケティングやセールスの業務を担当しているかによって、適切な比率は変わってきます。ただ、これまでの経験を振り返ると、1対1の割合で組むケースが比較的多かったように思います。
道家:1:1のイメージです。業務ボリュームにより部下をつけることはあると思いますが。PdM、PMMの責任者は事業単位で1名ずつがよいというのが持論です
(Q)PMM組織の中に調整役を設けることによる成果は工数削減で図っているのか、企画数などではかっているのか。どこの数字が改善されたから調整役たてるの活きたよね。と社内で報告されてますか?
真崎:まだ弊社も取り組みを始めたばかりですが、過去を振り返ると、スペシャリストとして存在していて、「この人がいるからプロジェクトが成り立っている」という認識が社内にありました。ビジネス側でも工数管理を細かく行う必要があるため、単なる調整役というよりも、業務全体を支える重要な役割として機能していました。
(Q)PMMがどんな生成AIを活用しているか、これは各社さんに聞いてみたいですね。(流行りに流されてすみません)
真崎:ツール利用にOKをもらうために動いているのが今の状況ですが、流行のツールについては安全性を十分に確保した上で積極的に取り入れて業務効率化を進めたいと思っています。
道家:複数活用しておりますが、よく使うのはGenspark、クロードです。
(Q)ドキュメントでパワポ使わないとのことですが、図で説明したいときはどのようにしていますか?
真崎:図で説明したいときはmiroや、コンフルにもホワイトボードがあるのでそちらの利用をお願いすることが多いです!とはいえ弊社もまだまだこれからな状況です。
(Q)事業ごとに分割されたシステムの乱立に悩まされてます
真崎:同じです…PdMだけでなく優れたエンジニア(アーキテクト)との連携も必要になるので、どうやったらそういった体制が作れるかに取り組んでいる最中です。
(Q)pdmとPMMのすみ分けはなんとなくイメージできますが、PMMは従来の営業の業務が多い印象がします。営業とのすみ分けは何か意識していることはありますでしょうか?
真崎:営業とのすみ分けについては、KPIやKGIの違いだと考えています。PMMは単純な契約数や売上だけでなく、トップラインや営業利益、PL(損益計算書)、DS(貸借対照表)など、会社全体の視点で数値を見ている点が特徴です。こうした経営的な視点を持つことが、営業との大きな違いだと思います。
(Q)PMMの方にはどうやって人事評価をしていますか。やや定性的なところも多そうに思っています。
真崎:弊社では「成果」と「行動」を分けて評価する文化があるので、それぞれに対して期初に目標設定をして期末に評価をしています。
(Q)道家さん、エンジニア出身ということで、この方向性(PdMやPMM)を選んだ理由はなんでしょうか?
道家:周囲を巻き込んでより大きな成果を作るプロデュース職のほうが好きだと感じたことが大きいです。実は高校・大学と化学科なので、研究などの一人で突き詰める業務も好きではありますが、PMMのような周りと協業して価値を作る仕事はより一層面白いと感じています。
(Q)スタートアップは一般的にビジネス要素とテック要素、どっちが弱いのが現状なのでしょうか?PMM体制が広がれば(ビジネス要素が強くなれば)成功するスタートアップが増えるぞ!って感じでしょうか?
道家:業態によって異なります。たとえば、ディープテック領域のスタートアップはテック要素がなければそもそもプロダクトが成立しません。一方で、エンジニア出身の創業者が多い会社はビジネス面が弱くなりがちですし、マーケティング出身の会社はテック面が弱くなりがちです。特にアーリーフェーズでは、認知されなければ製品が売れないため、PMMのようにビジョンや夢を語れる人がチームに増えることで、より早く市場拡大が進むと感じています。
(Q)スタートアップのPMMの方が大手企業のPMMより役割がキツそうですね。何でも屋的な役割を担うことになりそう。
道家:おっしゃる通りで、人が少ないためこともあり、自分で仮説を立てて自分で検証しに行くことはどうしても増えます。大変ではありますが、手触り感も大きくやりがいがある領域ではあると感じてます。
(Q)PMMが使うべきツールとかテクノロジー要素とかありますか?
真崎:個人的には、流行りの技術要素は詳しくて損がないですし、クラウドやデータベースの知識を持っている方が多かったりします。(SQLを回せるPMMも多いので)SQLについてはPdMだけでなくPMMにとっても必須スキルになりつつあると思います。
道家:ツールという観点ではAIは必須だと思います。あとはtldvなどの議事録自動化ツールは便利です。「作業をとにかく効率化し、顧客・市場を見る時間を作る」これを大切にしています。
(Q)スタートアップのプロダクト開発において、やらないことを決めるとありましたが、具体例として〇〇をやめた。スタートアップの段階では優先順位が低いかも。などの事例があればおねがいします!
道家:内情が話しきれないため、例えばの事例をもとにお伝えします。たとえば「海外市場を狙うべきなのに国内施策ばかりにリソースがとられている」「地方を狙うべきだが、過去の延長で首都圏にリソースが寄っている」などあれば、真に達成すべきことが達成できませんよね。こうした方針とズレを直す取り組みは、CXOと早い段階で会話し、かなりの数をやめる判断をしました。スタートアップではリソースが特に限られるので、最もインパクトが狙えるところに戦略的に集中させることが重要だと思います。
(Q)PMMとしての対応範囲がとにかく広いですね。投資家との会話はどのように接点を設けているのが一般的でしょうか?
道家:自己資金で進められる領域もあれば、ディープテックのように資金がなければ始められない分野もあります。私たちの場合は、個人投資家やVC(ベンチャーキャピタル)など、さまざまなステークホルダーに投資いただいています。個人的にはピッチに登壇し表彰を取っていくのが、事業ネットワーク・投資家ネットワークの拡大双方が狙えるので効率的だと考えています。
(Q)SmartHRさん、お世話になっております。ユニコーン企業のPMMはここが特殊だぞ(他と違うぞ)って点ありますか?
重松:企業の拡大に伴い、「各PMMが個別に頑張ってなんとかする」という形には限界が見え始めています。今後はPMMの役割を分化させるフェーズに入ってきていると感じています。今後は、業種ごとにPMMを配置するなど、より専門性を持たせた体制にシフトしていくのではないかと考えています。
(Q)みなさん、全く異なる視点のお話でとても参考になります。事後のレポートで結構ですので、「PMMあるある」な「辛かった、苦労話」をお聞きしたいです。
重松:業務の性質上、社内でコミュニケーションを取る人がとても多いです。人が増えたり、組織が変わったりするとその度にコミュニケーションのやり方を変える必要があるため、同じやり方を続けるというのが難しく、常に進化が求められるのが大変です。
(Q)プロダクトサイドとビジネスサイドの連携は、PdMーPMMということでしょうか?
真崎:弊社ではシンプルにそのように整理しています。
重松:そうなります。
(Q)スクラムチームとは具体的にどのようなチームのことを指していますか?
真崎:主に「開発チーム」を指すことが多いです!
重松:開発チームの単位を指しています
(Q)SmartHRにおいてPM/PMMはどのような指標で評価されますか?
重松:成果の指標は様々です。フェーズによってさまざまです。0→1フェーズなどではPMMが頑張ることによって売上にダイレクトに響くようにすることもできる。プロダクトの売上がPMMの成果となることもあります。お客さんの中から優良なお客さんに使ってもらって、事例として社内に伝達していく。その中で社内のモチベーションアップができ、その効果による売上に繋がっていく。そういったものを見ています。10→100フェーズでは、デリバリーの品質の高さを見ることもあります。お客様の利用状況などを見ることもあります。
(Q)PMM体制の成功事例(なんだろうな)と感じました。PMM職種の社内評価ポイント、わたしも気になります。
重松:最近公開された記事が参考になるかもしれません。
「成長を目的にしない」ことがMVPにつながった。SmartHR・酒井悠作を変えた“弱さの流儀” | YOUTRUST Studio
(Q)エモポイントがちりばめられているのが面白い。PMMにエモスキル(エモ要素)は必要ということですね?
重松:エモスキルは、PMMにとって非常に重要だと思います。特に、いかにモメンタムを生み出せるかは大きなポイントです。プロダクトが増えてくると、社内でもそれぞれの意義や魅力が見えにくくなってしまいます。そうした中で、PMMが課題をうまく組み合わせ、「エモ」を込めて伝えることで、共感や推進力を生み出す役割を担えるかどうかが重要だと思います。
(Q)PMMのキャリアラダーなどあれば教えてください
重松:PMMから次に進むという観点では、割と何でもありそうです。事業責任者になることもありえますし、人によっては専門性を突き詰めてマーケターになるということもあります。bizとdevの橋渡しになりえると思いますので、PMになりたいと言っている人もいます。
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