
- はじめに
- Devinからのギフト🎁
- 1. AIとの会話の始め方
- 2. どんなことを頼めるのか、まずは相談
- 3. エンジニアでなくても大丈夫?
- 4. コードの全体像を把握
- 5. 具体的な業務イメージで質問
- 6. AIの「信頼度」表示の工夫
- 7. 社内ツールのクエリもAIに相談
- 8. SQLクエリの内容をAIに解説してもらう
- 9. 追加でやりたいことを相談
- 10. 追加実装の相談とAIのサポート
- 11. AIがSQLクエリや実装プランを提案
- 12. AIの成果物をそのままエンジニアに共有
- おわりに
はじめに
こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーをしている、Harokaです。2025年6月、TECH Streetコミュニティの事例・知見共有勉強会である、UXリサーチャー勉強会に登壇させていただきました。
「チームとAIで取り組むリサーチ」というタイトルでリサーチ活動におけるAI活用事例についてご紹介させていただいたのですが、今回は発表でお伝えしきれなかった、AIアシスタントとどのようにやりとりをしているかTipsをご紹介します。
登壇資料はこちらをご覧ください
Devinからのギフト🎁
スマートバンクでは、エンジニアを中心に完全自律型AIコーディングエージェントであるDevinを活用しています。
私自身、行動ログなど定量分析をする場合、エンジニアに依頼し、細かな調整を行って進めていくことをメインとしています。
また、過去類似した調査で活用したredashが存在する場合で、別の分析軸を追加して再度見てみたいケースなど、都度エンジニア相談することに申し訳なさを感じていました。
せめてコードに何が書いているかわかれば業務がスムーズに進むと思っていたため、私が定量分析する際の状況理解を進める手段として、Devinを活用することにしました。
Devinをインストールし、手始めに一つお願いしたのですが、なんとDevinからギフトクレジットをもらいました。
Devinを使ってクエリ作成のサポートをしてもらいました💡
— はろっぺ | Haroka『UXリサーチの活かし方』 (@mawarisuru) 2025年6月13日
Devinくん、お母さんはGPT-3なんですね🤱 pic.twitter.com/mcQj0n0W2K
長らくDevinを活用している弊社のエンジニアからも「こんなことが起きるのははじめて!」と驚いており、私のDevinとのやりとりが的確でわかりやすかったからでは?と言ってくれました。
そこで、今回は、自分の振り返りも兼ねて、AIアシスタント(Devin)と実際にやりとりした事例をもとに、 「エンジニアではない立場から、どのようにAIに依頼し、やりとりを進めたか」の工夫したポイントを紹介します。
先に結論をお伝えしておくと、この2点を意識するとゴールまで導きやすくなるように感じます。
・自分が何に困っていて、何をしてほしいか、何ができないのかを説明する
・わからないことがでてきたら具体的に尋ねる
1. AIとの会話の始め方
Devinとは、Slackのやりとり用のチャンネルが用意されているため、そこで@Devinから会話をはじめていきます。
こんなやりとりから始まりました。
英語のやり取りの方が的確に伝わるかもしれませんが、速さを出すため自分が得意な(?)日本語に切り替えてもらうように依頼します。
(つい、AIツールに向かってさん・くん付けで喋ってしまうのでした)
Haroka「Devinくん、日本語でお話ししてもらえますか?」
Devin「わかりました!日本語でお話しします。何かお手伝いできることはありますか?」
2. どんなことを頼めるのか、まずは相談
Devinとやりとりするのがはじめてだったので、まずは自分のセットアップに不足がないか確認するため、簡単に確認できる方法を聞いてみました。
HarokaAIがうまく動くか試してみたいです。おすすめのコマンドや進め方はありますか?
Devinいくつかおすすめの試し方があります:
- 簡単なコードレビュー
- 小さなバグ修正
- テストの追加
- ドキュメント更新
- リファクタリング
どのリポジトリで何か試してみたいことはありますか?
3. エンジニアでなくても大丈夫?
さすがDevinです。コードを実際に操作することができるようですが、私が期待する使い方ではないので、自分の立場を明らかにし、引き続き質問してみます。
私が期待する使い方は、プロダクトのコードについて何が書かれているか理解し、適切にエンジニアとコミュニケーションをとって必要なデータを取得するサポートだからです。
Haroka私はエンジニアではなく、コードは書けないのです。でも、既存のコードに何が書いてあるのか知りたいと思っています。こういう時はどうするといいでしょうか?
Devinそれは素晴らしいアイデアです!コードを読んで、何をしているのかを分かりやすく説明できます。どのリポジトリのどの部分について知りたいですか?特定の機能や画面について気になることがあれば教えてください。
4. コードの全体像を把握
「どのリポジトリのどの部分」と聞かれたので、何かしら指定する必要がありそうです。ただ、Devinがどう格納しているか、どの伝え方だとわかるのか不明だったので、具体的に聞いてみました。
Haroka「そもそも、どんなリポジトリがありますか?」
Devin「利用可能なリポジトリは以下の通りです:
- 管理画面のWebアプリ
- Androidアプリ
- コアAPI
- iOSアプリ
- Webコンポーネントライブラリ
- Webサイト
どのリポジトリについて詳しく知りたいですか?」
5. 具体的な業務イメージで質問
残念ながら「このリポジトリから探して」と指定ができるか不安だったので、やりたいことを伝えて一緒に探してもらうことにします。
ちなみに、他のAIツールでも、探す範囲を指定すると正確に返答してくれる可能性が高い気がしています。
Haroka例えば、特定の加盟店で決済しているユーザーを探したいときはどのリポジトリになりますか?
Devinコードを調べてみますね!
特定の加盟店で決済しているユーザーを探すには、主にコアAPIのリポジトリを使用します。
- 決済情報や加盟店情報を保存するテーブル
- 加盟店の詳細情報を管理するモデル
- ユーザーの決済履歴と加盟店を紐付けるテーブル
などが関係しています。
管理画面のWebアプリで検索・表示機能も提供されています。
(信頼度: 中程度。実際の検索クエリやAPIエンドポイントの詳細な実装方法については、より詳しい調査が必要です。)
6. AIの「信頼度」表示の工夫
「信頼度」という言葉を初めて見ました。この「信頼度」の定義を私が知っておかないと、後にエンジニアに何か依頼するときに考慮すべき事情があるのかもしれないと思い、確認しておきます。
Haroka
Devin信頼度は、コードを実際に確認した範囲と推測の部分を区別するために付けています。
- 高:実際のコードを直接確認し、動作が明確に分かる場合
- 中:一部のコードは確認したが、全体像や詳細が不明な場合
- 低:推測や一般的な知識に基づく場合
このように透明性を保つことで、どこまで確実で、どこから推測なのかを明確にしています。
7. 社内ツールのクエリもAIに相談
なるほど、信頼度の定義が分かった上でコミュニケーションが取れそうと感じたので、早速本題に移ります。
特定のクエリについて、見方を教えてもらい、追加のクエリ生成のコミュニケーションをDevinに手伝ってもらうのが狙いです。
Haroka
Devinそのリンクにはアクセスできませんでした。
代わりに、クエリの内容をコピー&ペーストで教えていただければ、分析して詳しく説明できます!
8. SQLクエリの内容をAIに解説してもらう
Redashはログイン情報が必要であり、権限的に取得できないことがわかりました。クエリの内容をテキスト情報で伝えると良さそうなので、指示通りに対応します。
Haroka
Devinこのクエリは、特定の加盟店で高額利用しているユーザーのトップ10を抽出しています。
- 決済データをベースに
- ユーザー情報を結合
- 特定の加盟店名で絞り込み
- 利用額を合計し、ランキングを作成
- 各加盟店ごとにトップ10ユーザーを表示
という流れです。
(信頼度: 高。実際のクエリを確認済み)
9. 追加でやりたいことを相談
実際のクエリはお見せできないのですが、構文の行を指し示し、どの範囲から何の条件で抽出しているかをわかりやすく書いてくれました。
読み違えていてはいけないので、追加で依頼したい内容が書かれていないかをチェックします。
Haroka
Devinはい、その認識で正しいです。
- 利用額TOP10は現在のクエリで取得可能
- 決済回数や時系列変遷の分析には追加の集計ロジックが必要です
追加の集計ロジックを作りましょうか?
(信頼度: 中。決済回数の集計機能の全体的な実装状況について、より詳細な調査が必要です。)
10. 追加実装の相談とAIのサポート
追加の集計ロジックを作り、それをエンジニアに確認してもらう流れを試してみたいと思ったので、結論から伝えます。その上で、私がエンジニアではないことを再度伝え、的した形に考慮してもらうようにしました。
Haroka
Devinはい、できます!
- 追加で必要なSQLクエリの例
- 実装アプローチ
- エンジニアへの共有方法
などをまとめてお伝えします。
11. AIがSQLクエリや実装プランを提案
Devin必要な追加SQLクエリの例:
- 月間ごとの時系列分析
- 四半期ごとのTOP10ユーザー分析
これらのクエリをエンジニアに共有すれば、Redashで実行できます!
(ここから数分経過)
数分待っていると、これまでのやりとりを整理し、成果物を出してくれました。
Devin推し活決済分析の要件と実装プランが整理できました!
- 既存のクエリでできること
- 追加で必要な機能
- エンジニアへの共有内容
これで要件の全体像と実装方法が明確になりました。エンジニアの方にこの内容を共有していただければ、スムーズに実装を進められると思います。
12. AIの成果物をそのままエンジニアに共有
こんな感じで、3つのファイルを用意してくれました。テキストデータではなく、ファイルをダウンロードして使いやすい形にしてくれるのに驚きです。
Haroka
Devin
と、この後、記事冒頭のギフトクレジットの話に戻ったのです。
おわりに
このように、
- 「分からないことは素直に質問する」
- 「やりたいことを具体的に伝える」
- 「エンジニアでないことを表明し、SQL作成のサポートを依頼する」
という流れで、安心してAIとやりとりを進めることができました。
関連話題で、米スタンフォード大学教授でAIスペシャリストのJeremy Utley氏が『AI時代の7つの新習慣』で「AIに質問する際、質問の意図や背景をしっかり伝える 」を主張しています。
これは、AIのみならず、人間のチームメイトの場合は自然と考慮して進めているコミュニケーションではないでしょうか。
記事では、AIをチームメイトとして捉えるべきだとの主張が書かれており、AIにどれくらいの期待値を持ってどう接するとより良いか?を考えるヒントが詰まっている気がしますので合わせてお読みいただけると良いかと思います。
スタンフォード大学の“人気”教授が説く「AI時代の7つの新習慣」 - ZDNET Japan
私もまだ試行錯誤中ではありますが、自分がやりたいこととAIができることをすり合わせながら、AIとともにやりたいことを成し遂げられるようトライしていきたいと思っています。みなさまの、AIとの付き合い方のヒントにしていただけると幸いです。
書籍『UXリサーチの活かし方』も発売中です
記事執筆者

瀧本 はろか
株式会社スマートバンク
UXリサーチ部 部長
校正・校閲担当者を経て、ベンチャー企業で新規事業の立ち上げやインタビューの企画執筆を経験。その経験からUXリサーチャーに転身、人材会社の新規事業のUXリサーチやリサーチ組織立ち上げ、リサーチャー育成に携わる。2022年4月より株式会社スマートバンクに1人目のUXリサーチャーとして入社。N1インタビューの文化を受け継ぎ、年間100件を超えるインタビューを担当。メンバー全員が「Think N1」を身近に感じられるような働きや経営・事業に伴走するリサーチを推進。著作『UXリサーチの活かし方 ユーザーの声を意思決定につなげるためにできること(翔泳社)』。




