こんにちは!TECH Street編集部です!
今回は2021年6月24日(木)に開催した、
「UXデザイン勉強会~今こそ学んでおきたいUXセミナーと事例LT~」のイベントレポートお届けいたします。
今回は、UXについて学ぶセミナーとITテクノロジーに関するビジネスでUXデザインに携わるUXデザイナー、リサーチャーによる事例を通し、参加メンバー全員でUXの理解を深める会を開催いたしました◎
登壇者はこちらの3名。
・海谷 麻里衣さん/パーソルキャリア株式会社
・べちまき(大草 真紀)さん/株式会社リクルート
・三瓶 亮さん/株式会社フライング・ペンギンズ
レポート前半では3名の発表内容を、記事後半では参加者からのご質問への回答を紹介いたします!
サービスをどうやってデザインしたらいいかわからない!~サービス擬人化しよう~/海谷 麻里衣さん
パーソルキャリアで、フロントエンドエンジニアとしてVue.js/Nuxt.jsでの開発を経験後、UI/UXデザイナーに転身。現在はSalaries(サラリーズ)という法人向けサービスのデザインを担当されてる海谷さん。
海谷さんがフロントエンドエンジニアからデザイナーに転向された際、一番困ったのは「色」。今回は現在はSalaries(サラリーズ)のサービスカラー決定までに行った「擬人化プロセス」を事例にご紹介いただきました◎
困ったこと
当初、プロダクトオーナーから、
「サービスカラーはコーポレートカラーのグレーを使いたい!」
という要望を受け、グレーの色をひたすら研究したという海谷さん。
しかし、「どうやってグレーを決めればいいのか」がわからず、途方に暮れていました…!
そんな時、先輩デザイナーに相談したところ「そもそもなんでグレーなの?」と指摘され、そこから競合調査を実施。競合を含めHR系のサービスは青系をベースにしたイメージが多く、グレーをベースカラーとしたものはあまりなかったことがわかりました。競合調査をした上で、「サービスが本当に伝えたいことはなんなのだろう?」という視点を持ち検討を開始しました。
擬人化ワークショップをやってみた!
「サービスが本当に伝えたいこと」を理解するために実施したのが、サービスデザイナーとリサーチャー合同で行う「サービスの擬人化ワークショップ」。
サービスの擬人化とは、サービスを人に見立てて考えいく方法。
「このサービスが世の中の人にどのように思われたいか」
「どのような世界観を目指したいか」
を人格として表現してみます。ワークショップの流れは以下の通り。
①ワークショップのゴールを提示
②ワークショップの目的や意図について共有
③サービス全体や目指すところのインプット
④サービスの人格を考える「擬人化ワーク」
⑤サービスの物語やコピーを作る「物語ワーク」
⑥チームごとにワーク内容を発表
この、4つ目のプロセスの「擬人化ワーク」は、下記の流れで実施しました。
サラリーズさんっぽい特徴を探ろう(フォトソーティング)
フォトソーティングとは、写真からそのブランドにふさわしいビジュアルを見つけること。サービスが、ターゲットユーザーのビジネスパートナーとして考えた時に、どういうビジュアルなのかを写真を出し合い考えます。
キーワードを出し合おう
次に、フォトソーティングで出てきた特徴をキーワード化し、メンバーの認識合わせを行います。
出したキーワードから画像を探そう
次に、このキーワードの中からいくつかをピックアップし、それらに合う画像を見つけます。そして改めて、フォトソーティングを実施し、見た目や、どんな行動をするか再びディスカッションし、サービスの擬人化を完成させました!
まとめ
サービスの擬人化は以下のようなメリットがありました。
・サービスについての共通認識ができる
・チームビルディングができる
・デザインの決定に自信が持てる(根拠ができる)
サービスが本当に伝えたいことを探し、デザインに迷った時にはサービスを擬人化することで、伝えたい本質を見極めてみるのが良さそうです◎
この擬人化ワークショップについては、「何かと使えそう!」という感想などもTwitterで投稿されていました^^
海谷さんのLT。サービスオーナーが本当に求めていた配色のお話 #テックストリート pic.twitter.com/VbT7OiVFmF
— よっしー𓅪 (@fleshkine) 2021年6月24日
サービスの擬人化ワークショップ、何かと使えそうだな〜! #テックストリート
— かつみん (@katsumi_swy) 2021年6月24日
ユーザーへのインタビューでやってしまいがちな5つの間違い
/べちまき(大草 真紀)さん
リクルートでUXリサーチ組織のチームリーダーを務めるべぢまきさん。新卒入社後LINEでバイトを探す「LINEパン田一郎」立ち上げに参画しグッドデザイン賞BEST100受賞。現在は定性/定量調査の実施や、組織横断でリサーチ推進を担当されています◎
そんなべぢまきさんからは、ユーザーインタビューでやってしまいがちな5つの間違いについてお話しいただきました!
UXリサーチとは?
まず、UXリサーチとはユーザーエクスペリエンス(UX)の向上を目的とした調査であり、調査手法はインタビュー、ユーザビリティテスト、アンケートがメイン。
べぢまきさんは、UXリサーチを進めて行く中で「インタビューって簡単にできていいよね」と言われてしまうことが多いそう...
インタビューは、
・特別な機械やツールは必要なく、話を聞く相手が見つかればすぐに始められるもの
・会話の中で気づきが得られるので特に専門的なスキルは必要ない手法
このように思われている方も多いのではないでしょうか。
しかし、インタビューは想像しているよりも高度なスキルが必要な手法なのです!
×話を聞く相手が見つかればすぐに始められる
○誰にインタビューをするべきなのかを慎重に見極める必要がある
×会話の中で気づきが得られるので特に専門的なスキルは必要ない
○雑談力とインタビュースキルは異なる
想像以上に奥が深いインタビューによるUXリサーチ。ここからは、実際のインタビューにおける事例を元に、「やってしまいがちな間違い」をご紹介いただきます◎
皆さまもどこが間違いなのか、考えながら読み進めてみて下さい。
【事例1】
時間内に収めたいのでインタビューの対象の方が現れたらすぐに質問を開始する。
→これは、インタビューをされる側の気持ちを考えると良い手法とは言えません。部屋に着いて早々、直球の質問を投げかけられたら驚きますよね。まずはインタビューする側の自己紹介とインタビューの趣旨説明をすることが大切です。
【事例2】
事前に仮説は検証済みなので、「○○な状況はありますか?」など仮説を確認するように質問する。
→インタビューの際は、質問が誘導にならないように、気をつけなければなりません。イエス、ノーで答えられるクローズドクエスチョンは、誘導になってしまう可能性があります。できるだけオープンクエスチョンを投げかけること重要です。
【事例3】
インタビュー中に「このサービスは何年前からあるの?」と質問されたので
サービスの担当者として責任を持って丁寧に回答した。
→インタビューを受ける側が新しい情報を得てしまうことで、普段と意見が変わってしまうこともあるため、こちらも注意が必要です。不用意に情報を提供しないようにすることだけでなく、間違い/勘違いなどもできるだけ正さないように意識します。
【事例4】
ユーザーの話を聞くのは大事!とりあえずでも話を聞いてみよう!
→ユーザーの話を聞くことは大切ですが、「何を検証するためにインタビューをしているのか」をあらかじめ言語化しておく必要があります。ここを最初にクリアにしておかないと、インタビュー後に「結局このインタビューどう活用するのだっけ?」となってしまいがちなのだとか。
【事例5】
ユーザーの声を聞くためのインタビューなので、「どう思うか」を中心に聞く。
→どう思うか、どう思ったかについて、過去の記憶や意見は都合よく書き換えられている可能性があるため、注意が必要。できるだけ正しく情報を聞き出すためには、意見ではなく、その時にとった行動や事実など書き換えが難しいことを先に聞き出し、意見はその後事実と照らし合わせながらヒアリングしていくことが大切です。行動や事実と、意見に乖離がある部分は、ユーザーが、もやっとしたポイントだった可能性も高いので、この点は注視するのが良いそうです。
まとめ
インタビューをする際に、気をつける行動は非常に多いですが、意識することは2つだけ。気をつけるべき行動もこの2つに紐づくものなので、まずはこの2つを意識することから始めてみるのが良いかもしれません◎
・対象者の本心を引き出す
・検証ポイントを明らかにする
参加者からも、まずは2つのポイントを意識してみようという感想も投稿されていました^^
べぢまきさんのLT。リサーチ勉強中のため、とても勉強になりました。
— よっしー𓅪 (@fleshkine) 2021年6月24日
意識することはたくさんあるけど、主に2つを意識してみようと思います。 #テックストリート pic.twitter.com/dVFvXk8o2G
UXデザインで立ち向かいたい次なるチャレンジ/三瓶 亮さん
三瓶さんからは、UXデザインで立ち向かいたい次なるチャレンジについてご共有いただきました◎
まずは、三瓶さんの「UXデザイン」に対するスタンスから。
答えがないからこそ、自分で考える楽しさがあり、UXデザインの目的については、「企業や作り手の都合ではなく、ユーザーの体験をよくしていくこと」に面白みを感じていると語ります。
一方で、前職のメンバーズではとある機会に社長から、
「良いユーザー体験は、人によって違う。極端な話、他人を蹴落としてまで金儲けに走ることが幸せな人だっているし、その人ユーザー体験をよくすることで不幸になる人もいるかもしれない。そんな世界を作りたいの?」というフィードバックをもらい、ハッとしたこともあったのだとか。
ここからは、「良いユーザー体験」を追求していく中で、気にかけたい視点として、ここ数年海外でよく見かける議論のうち三瓶さんが気になっているものを紹介します。
UX=User Exploitation (ユーザー搾取)になっていない?
UXDはユーザーに価値を届けるというより、ユーザーを騙したり、利益を上げたりするための手法として成り下がってしまった、という意見。
例えば、退会プロセスが冗長でわかりにくいなど、習熟してきたUXデザインの業界においては、ユーザーをコントロールすることも簡単にすることができると指摘します。
Ethical Design (エシカルデザイン)
近年、プロダクトやサービス開発に携わる人が倫理的・社会的な面(=Ethics)も考慮してデザインをする必要があるという機運が非常に高まっているそうです。
例えば、ジェンダーや感染症など、社会の状況や政治・宗教などの一見タブーと思われる領域に触れていくことなどについても議論が進んでいます。
これらの視点は、社会意識の高まりが現れています。より、ユーザーの周辺環境=社会接続を意識して開発を進めていくことが求められてきているのです。
Twitter上でも「エシカルデザイン初めて聞いた!」というようなコメントもありましたよ◎
エシカルデザインって初めて聞きました。
— m-kaiya (@m_kaiya_) 2021年6月24日
サービスのモラルがと問われてくる時代!
UX MILKの三瓶さんのお話!#テックストリート pic.twitter.com/qUUMA8ekfJ
では、開発に際してエシカルな視点を取り込んでいくことはデザイナーの責任範囲なのでしょうか。欧米と日本ではデザイナーの責任範囲が違い、日本は、欧米ほどまだ問題意識がない印象ではあるものの、エシカルデザインこそがUXデザインの次の挑戦ではないかと三瓶さんは語ります。
また、開発の分野において、社会に対してより多くのバリューを出していく手段としても、エシカル領域にとり組むことは意義があると考えているそうです。UX領域は、特にビジネス的に価値をわかってもらいづらい領域でありますが、UXリサーチやUXデザインの手法だからこそ取り組める課題もあります。
普段の業務にエシカルな視点を取り組むファーストステップとして下記の2つのポイントが挙げられました。
①エシカルな問いを挟む
一つ目は、何かのプロジェクトを立ち上げる際、「これって世の中的にOKなの?」という視点で考慮すべき軸を増やして議論をすること。
生活はどう変わるのか?
人間関係は保てるか?
どんな文化が生まれるか?
誰を助け、誰を見捨てるのか
環境にどう負荷をかけるか など
上記のような様々な視点で、サービスの存在する世界を想像していく必要があります。全てを考慮することは不可能ですが、何か問題が起きた時にそれを認識していくことが解決につながるのだとか。
②社会性のあるビジョンをもつ
会社・チーム・プロダクト単位でもより外向きの視点でビジョンを持つことが大切です。エシカルな判断をするためには、より社会に目を向け、社会的によしとされるかを一つの判断軸として持つことが重要です。
以上で三瓶さんのセミナーは終了!Twitterでも参加者の皆様からのコメントが盛り上がりました◎
- エシカルデザイン(ethics)
— Yuya Murase (@YuyaOdyssey) 2021年6月24日
UXデザインを勉強している延長線上で、SDGsやエシカルデザインには興味を持っていて、今回の三瓶さんの登壇を聞いて、社会への必要性やその責任について、より真剣に考えて取り組んでいきたいと思える時間でした。https://t.co/qfYjJyWsTr #テックストリート
登壇資料
まとめ
今回のイベントは100名以上の方にご参加いただきました!UXデザイン・UXリサーチというホットな領域がこれからさらに発展していくのが楽しみですね!
ビデオオンの参加者の皆さまとの集合写真
参加者からの声
・お三方とも、話がすごく上手で、ポイントを押さえており、聞き入ってしまいました。LTではより実践的なこと、セミナーでは一歩先に進んだ未来のこと、テーマのバランスがとても良かったです。
・今まで自己流に「いい感じ」で進めていたものを、改めてここは大丈夫、ここはNGという部分を確認できる良い機会になりました。
・具体的な手法と、エシカルについて個人的にモヤモヤしていた部分だったので(恣意的なブラックパターンの悪影響)言語化されたのがとてもすっきりした
次のページでは、参加者からのご質問を紹介していきます。
参加者から海谷さんへのご質問
“(Q)UI/UXデザイナーって、職種として明確にあるのですね。顧客とどれだけ向き合えるかも大きいような気がしますが、意識している事ってありますか?”
(A)エンジニアだった時と比べると、ユーザーへの意識が大きくなったと思います。そのため、機能などより、ユーザーの使い易さを意識するようになりました。
“(Q)擬人化ワークショップってセミナーとかじゃなくて社内メンバーでやった感じですか?”
(A)はい!リサーチャーとサービスデザイナーというグループと合同で実施しました。
“(Q)エンジニアからデザイナーになったきっかけはなんですか?”
(A)エンジニアになったのは実は、ちょっとした間違いから始まりました(笑)Androidアプリの養成講座に、デザインができると思って入ったらエンジニアへの道でした。なので途中でデザインの道に軌道修正しました。
“(Q)サービスの擬人化はペルソナに近い考えだと思いましたが、違いはありますか?”
(A)ペルソナ=ユーザーの代表、擬人化=サービスの中の人だと考えています。
企画側でもペルソナがあったのですが、それだけではデザインコンセプトの決定に情報が足りなかったためワークを実施しました。2つの視点から情報が集まることで、デザインする内容に確信が持てるようになりました。
参加者からべぢまき(大草 真紀)さんへのご質問
“(Q)リサーチってそのインタビュー対象から聞き出す技以外に、その対象選定ってどれくらい大事になりますでしょうか?その選定までリサーチ側の仕事になりますか?”
(A)リサーチ側の仕事になると思います。大事なことは、「何故インタビューするのか」をちゃんと真剣に考えること。この点が考えられれば、どういう人達にインタビューすべきかが明確になると考えています。
“(Q)プロダクトの利用前〜利用中〜次の利用に至るカスタマージャーニーを捉えたいと思った時は、やはり単発ではなく同一対象への継続的なヒアリングのほうが適しているでしょうか。 また、単発のヒアリングで、連続的なジャーニーをうまく聞き取るためのスキルを教えていただきたいです。”
(A)同じ人へのヒアリングじゃなくてもいいかなと思います。特定の人のカスタマージャーニーであれば、その人に特化しなければならないです。しかし、カテゴライズされたグループのカスタマージャーニーであればそのグループ内のそれぞれの人から利用前/利用中/利用後についてインタビューすることで実現できるのではないかと思います。
“(Q)インタビューの設計はどのようにやっているかを教えていただきたいです。”
(A)対象者の方と対話することを前提としています。「何を知りたい」という大きい問いがあり、そのために小さいゴールを作っていき、その小さいゴールを達成するための小さい問いをどんどん作っていきます。
“(Q)UXリサーチの仕事に興味を持ったきっかけってありますでしょうか?UXリサーチャーの魅力は何でしょうか?”
(A)プライベートでも「なんで?」を何度も聞いてしまいがちな性格ではあるのですが(笑)UXリサーチャーは「なぜ?」を深掘りしていく仕事なので、向いていると感じています。自社にその役割の人がいなかったので、組織としても自分としてもぴったり合っていたと思います。
“(Q)オンラインでのユーザーインタビューで、特に気をつけていることを教えてください。”
(A)オフラインだとアプリを使ってもらうときにこちらで端末等を用意できていましたが、オンラインの場合はユーザーの手持ちの端末を使うため、ユーザーが使っている画面サイズやOSを把握しないまま、インタビューしてしまうと、何気ない一言でも、何が原因かがはっきりと分からない等の困ったことが起きてしまうので、事前に使用環境を確認することを気をつけています。
“(Q)インタビューで深掘りするために気をつけていることはなんですか?”
(A)深堀りする際は「なぜ?」を繰り返すことが多いのですが、同じ言葉で聞くのではなく、できるだけ違う言葉で「どういう背景でそう思ったのか」「どんなきっかけがあったのか」など同じワードで質問しないように気をつけています。その他は一問一答にならないように、相手と「会話」をするように質問をすることを気をつけます。
“(Q)「このサービスは何年前からあるの?」と聞かれてあまり情報を提供しない理由はすごく理解できるのですが、実際こう聞かれたときべぢまきさんならどう切り返すか教えてください。”
(A)先程の事例の内容ですね。明確に答えずに「何年前でしょうね...」というように切り返すことが多いです。
“(Q)利用体験ヒアリングなどでは、直接聞きたいコンテンツの意見を聞いてしまうと、(こういうことが聞きたいんだろうな)と察した相手が、話を好意で盛ってくれてしまうことがあります。これを防ぎ、ユーザーの普段の状況をうまく聞き取るためにはどういう点に配慮すればよいでしょうか?”
(A)好意で盛らなくていい、ということをインタビュー冒頭で伝えることが大事だと思います。いいことだけでなく悪い点も正直ベースで伝えていただけることが自分たちのためになるのでなんでも遠慮なく伝えてほしい、と私は伝えています。
“(Q)ユーザーの意見を、実際にプロダクトに取り入れようとするときの取捨選択の方法を教えていただきたいです。現在ニーズを全て叶えようとして、プロダクトが迷走しておりまして、、、”
(A)ユーザーは生活をするプロで、プロダクト開発をするプロではないので、ユーザーの要望をすべて取り入れるのではなく、どういうことに困っているか、どんな機能がほしいかの発言の裏にある困りごとの本質を引き出しデザインや機能に反映することが大事だと思います!
“(Q)インタビューする人の選定が難しいです。選定のコツが知りたいです。”
(A)人の選定のコツというよりは、何を知るため・何を検証するためのインタビューなのかを明確にすればおのずと決まってくると思います。そこが意外と明確になっていないことが多いと思っています。
“(Q)台本って必要ですか?誰にでも通じる・使える定番設問ってありますか?”
(A)初めての場合はあったほうがいいと思います。完璧に用意してしまうことで逆にインタビュイーに最適化した柔軟な質問ができなくならないように気をつけることは必要ですね。
“(Q)口下手でも(UXリサーチャーに)なれますか?”
(A)なれると思います。目的に対して何を聞くかが決まっているので、雑談力などが必要なものではないと思います。普段の会話力がインタビュー力に直結するものではないと思っているので、問題ないと思います。
“(Q)質問設計の仕方のコツを教えて頂きたいです。 質問の数・時間なども設計でしょうか?”
(A)数や時間も設計する対象ですね。例えば、質問数も時間も数が多すぎる場合は2つの調査に分けるなどの設計も必要だと思います。
参加者から三瓶さんへのご質問
“(Q)国内のUXトレンドはどうなっていますか?”
(A)ここ数年、UXリサーチが流行っていますね。最近もいい書籍なども続々出ているのでチェックしてみるといいかもしれません。
“(Q)顧客搾取、エシカルデザイン、全てがハっとしてしまう。これ日本ってひょっとして遅れていますか?”
(A)エシカルな配慮をしているか、していないかでいうと、日本の開発現場でもしているところはしていると思うので、必ずしも「遅れている」とは思いません。ただ、体系立てて議論され、個々のデザイナーなどが意識できているかというとまだまだだと思うので、そういう意味では少し遅れているとも言えるかもしれません。
また、日本ではビジネス職とクリエイティブ職がはっきり分かれる傾向が強いので(少なくとも今までは)、クリエイティブな職種の方はより職人志向に走り、ビジネスや社会に目を向ける機会が少ない気がします(あくまで個人の所感です)。
“(Q)エシカル:誰が意識すべき範疇か、これってUX:誰が意識すべき範疇か、つまり誰もが意識すべき(仕事がデキルヤツは当たり前に意識している)って事なのですかね。これが当たり前になると、UX専門家は必要なくなるって事でしょうか?”
(A)まず結論としては、必要なくなるということはないと思います。UXの専門家が必要かどうかという議論はよく見かけますが、これはケースバイケースかなと。
例えばわかりやすいのはチームの規模ですね。4~5人くらいのチームであれば各メンバーがUXを意識し、良いUXのために議論できるチームであれば、この規模でわざわざ専門家を立てるという判断はしないかもしれません(作っているプロダクトやサービスによっては、入れるという判断もあるかと思いますが、あくまで一般的な開発現場においては、です)。
ですが、これが50人とか100人とかのチームとなった場合はそうは行きません。それぞれがUXを意識できていても、その足並みが揃わないと意味がないですし、大きなチームになった場合は誰かが「我々の目指すべきUXはこうだよね?」と旗を振る必要があります。そのためにはUXデザインという手法と、それをチームに浸透させるだけの労力をかける必要があるので、専任や専門家がいるといい、という発想になるかと思います。
イベントレポートは以上となります◎次回もお楽しみに!