【イベントレポート】時短ITレシピ共有会vol.1

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こんにちは!TECH Street編集部です!

今回は2021年4月8日(木)に開催した、 「時短ITレシピ共有会vol.1」のイベントレポートお届けいたします!ITを活用してタスクの時間短縮&効率UPをするためのお役立ちTips盛りだくさんの内容となっています。

 本日の登壇者はこちらのお二人!

・KUMIさん
・Excel師 KTさん

 早速明日からすぐに使える時短テクニックを紹介していきます!

Microsoft Streamを活用した自動文字起こし&議事録時短
KUMIさん

現在はコミュニケーションツールを使った業務効率化を担当しているKUMIさんからは、Microsoft Streamを活用した時短ITレシピの共有をしていただきました。

早速ですが、みなさん“議事録”は書いていますか?議事録は会議の内容や決定事項、Next Actionを共有することで認識相違を発生させないために必要なものですよね。しかし、議事録の作成は簡単ではないですよね…

下記は、KUMIさんが議事録を作成されていた際の手順。皆さまもこんな苦労されたことあるのではないでしょうか?

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①議事録を所定フォーマットに記載
②先輩社員に記載の確認
③関係部署の皆さんに議事の確認依頼を展開
④期日通りに返信がないためリマインド
⑤この議事録を有効化するため押印リレーを開始
⑥押印済み議事録をPDF化して展開

 この手順で議事録を作成していた時は、議事録完成までに5日かかっていたそうです。とにかく時間も手間もかかりますよね…。

そこで、今回使うのは「Microsoft Stream」。

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ビデオコンテンツの安全な共有が簡単にできるサービス。今回は、この「Microsoft Stream」の中でも「トランスクリプト」の機能を活用します。

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ビデオの字幕が自動的に作成される機能で、会議の内容が自動で書き起こされていきます。こちらで書き起こされたものは、ファイル形式でダウンロードすることもできて、後から別途共有することも可能。

実際にどのように作成されていくかをさらに詳しく説明いただきました。

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①Teamsでオンライン会議
→文字起こししたい動画を準備します。Teamsで会議をレコーディングすると自動でビデオが保存されます。
②OneDriveへ録画を保存
③Microsoft Streamにアップロード
④トランスクリプトで書き起こし
→Microsoft Streamにアップロードする際にオプションを「ビデオの言語:日本語」「キャプションの自動生成」をONにすると書き起こしができます。

イベントでは、実演動画も紹介いただきましたが、かなり精度の高い書き起こしが実現できていました!一方で、発話者の切り替わりの判定が難しく、「あ〜」「う〜」などの詰まった言葉や、声のどもり・重なりなどは聞き取りづらいところもあるよう。

大事な文字起こしを間違えるところは、大きな課題の一つ。会議においての決定事項や大事な内容を書き間違えてしまうことは避けたいですよね。その場合は、音声を確認して直接修正を入れているそうです。

また、もう一つの課題として、アップロードの手間がかかること。議事録を細かく書くことに比べると手間は少ないものの、ゆくゆくは自動化されるといいですね…!

さて、ここからは、このMicrosoft Streamを議事録の作成にいくためのアイディアをご紹介。そもそも、議事録の作成には、下記のような目的があります。 

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・会議の目的の達成
・決定事項の共有
・Next Actionの共有

上記の内容をもれなく記載するためには、ヒトが書く場合も、機械に書き起こさせる場合も、“決まったフォーマット”があると便利ですよね。例えば、オンライン会議の際も、会議の最後にフォーマットに沿って口頭で「本日の会議のまとめです」「本日の決定事項は〜〜です」という会議内容を発言することで後から議事録を作成しやすい記録を作ることができるそうです。

まとめ

・Microsoft Streamで打ち合わせ内容の「自動文字起こし」は一定有効そう。

・基本的な用語の聞き取りは可能。一方で、会議中の不確定な会話など発話状況により聞き取れないものも多いので、適宜微修正が必要。

・従来の議事録は文字でしか残らないため、正しいかの判別が難しいが、Teams+Microsoft Streamを利用することで、ビデオ・文字で証跡を残すことが可能。

・自動で書き起こしをしてくれるため、本来の会議に集中できる。

今まではヒトが手間暇をかけて作成していた議事録をシステムに任せることができるようになれば、会議で“ヒトにしかできない”クリエイティブな討論に集中することができますね!

今はまだ、精度に一部課題はあるものの、工夫しながら使っていくことで、業務の時短化・効率化を進めていけそうです!Office 365を利用している方は、ぜひお試しください◎

 

Excelの即効テクニックとPower Automate活用術
Excel師 KTさん

Excel好きが高じて、受講者がのべ6000人を超えるほどの人気コンテンツ「Excel塾」を開講するKTさんからは、Excelを使った時短レシピを2つと、Power Automateを活用する時短レシピを共有いただきました! 

フラッシュフィル〜瞬間名簿作成〜

こちらは今回紹介する中でも最も簡単ですぐに実践できる技! 

名簿を作成する際、下記のような作業をしたい、と考えたことがあるのではないでしょうか?

・名字だけを抜き出したい
・名前だけを抜き出したい
・社員番号の下2桁だけを抜き出したい
・複数の項目を連結させたい
・メールアドレスの@前の部分だけ抜き出したい
・名刺に使用できるようローマ字表記の名前にしたい など

一つ一つ手作業で抽出していくのは手間も時間もかかりますが、ここでフラッシュフィルという機能を使うと、あっという間に名簿作成ができるそう…!

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※どこかで見た名前ばかりですね(笑)

フラッシュフィルは、たったこれだけできます!

①上図2行目のように抽出したいデータのサンプルを入れる
②フラッシュフィル=Ctrl+Eをする

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10秒足らずで抽出・組み合わせがしたいデータが自動で生成され、名簿が出来上がりました!フラッシュフィルを使うと、どの列から抜き出すという指定をせずとも、あらかじめ入れたサンプルから規則性を読み取り、自動的に読み取ってくれ、抽出してくれます。

これはめちゃくちゃ便利…!もっと早く知りたかった技です…!

関数を使って抽出することもできますが、データが多いと関数を使うことでファイルが重くなってしまいがち…そんな際にもフラッシュフィルは有効。ただし、注意点としては、規則性のあるデータを元データとして抽出する必要があるので、その点はご注意ください。

複数のブックを一発で連結するExcel Power Query 

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例えば、複数の日報がフォルダ内に存在し、それらを一つにまとめあげないといけないというシュチュエーションの場合。一つ一つ開いてコピペしていくのは大変ですし、ミスしてしまう可能性があります。

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日報の中身を開いてみると、非構造データでセルも連結されている状態。ここでは、Power Queryを使うと一発で集計ができるようになります!

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こちらがデモ用に作っていただいたExcel連結ツールです。手順は以下の通り。

①まとめ上げたいデータが格納されているフォルダをA2セルに入力
②D2セルに対象のシート名を入力
③「Ctrl + Alt +F5」で更新 ※データ>全て更新でもOK
④シート「date」に反映される 

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「date」セルには上記図のように、どのシートから持ってきたデータなのかがわかるように縦につながって表示されていきます。一覧で見ることが出来てわかりやすい…!これも一瞬でデータ化できてとても効率的です。

こちらは、「フォルダにあるExcelのデータを一括で連結するツール」であるPower Queryを使用しています。マクロを使う必要はありません!

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また、Power Queryはデータの加工機能も充実しています。

例えば、別のExcelのBookからデータをインポートし、加工する、という作業も可能。まずはデータをインポートし、Power Queryエディターで加工する必要がありますが、2回目以降はロジックが組まれているので、ワンクリックで集計ができるようになります。

テーブル形式(DB形式)以外もインポートすることも!また、100万件以上も対応しており、VBAよりずっと簡単に作ることができるので、おすすめ◎ 

会議自動化設定 Power Automateクラウドフロー+ Forms

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テーマは「Formsで勉強会に申込みしたら、Outlookの会議に自動的に参加者を追加したい」というもの。これを実現するためのフローをご紹介します。

ポイント①Outlookの会議IDを取得する
ポイント②「イベント更新(V4)」で出席者を追加する

全体のフローはクラウドフローというフォーマットを使います。

さて、ここで使うのがPower Automateですが、Microsoftの業務自動化ができるツールの一つとなります。Office 365のライセンスがあれば使えて、テンプレートやAPIが豊富であるという特徴があります。

手順は以下の通り。

①会議作成と会議IDの取得

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Outlookの予定表に予定を追加します。今後、この【TEST】Power勉強会に申込みをしてくれた人を自動で宛先に追加していくという内容となります。

追加するにあたり、Outlookで作成された会議に振られている固有のIDを取得する必要がありますが、これはクラウドフロー上で取得して自分にメールで送る、という流れで対応しているそうです。

②会議出席自動受付

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こちらのトリガーはFormsになっています。

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このFormsから申込んでくれた人のIDを裏側で取得し、先ほど取得した会議IDをここで指定します。

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ポイントは、必須出席者(すでに出席者登録されている人)に加えて、今登録してくれた人のIDを追加していくことだそうです。

クラウドフローについてはまだ試行錯誤中とのことですが、様々なツールと組み合わせて使うことができるツールとして紹介いただきました!

参加者からの質問

(Q)フラッシュフィルについて、名前に半角スペースがないものを名字と名前で抜き出したい場合はどうすればいいですか?
(A)規則性がないので、その場合は抽出するのは不可能だと思います。名字の文字数が決まって入ればLEFT関数を使えば抜き出せますが、規則性がないと抜き出すのは難しいです。

(Q)フラッシュフィルは特に設定はいらないですか?
(A)はい。Excel2016以降のデフォルト機能なので、設定は不要です。

まとめ

今回は、今日からすぐに活かせるIT時短レシピを共有いただきました。

参加者の方々から「業務上のお困りごとを解決するテクニックをもっと知りたい!」というような嬉しい声があがっていました♪シリーズ化も期待(?)ですね! 

登壇者と運営の集合写真

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イベントレポートは以上となります!
参加してくださった皆様、登壇者のお二人ありがとうございました。

次回のイベントもお楽しみに!