【イベントレポート】営業活動を下支え!事業会社のIT施策事例共有会

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こんにちは!TECH Street編集部です!

今回は2020年2月18日(木)に開催した、 「営業活動を下支え!事業会社のIT施策事例共有会」のイベントレポートお届けいたします!

各社のビジネスアーキテクト目線で営業活動の効率化や生産性向上の取り組みやI施策事例について、各社の課題に対して自社開発も交えた事例をお話いただきました♪

今回の登壇者の方はこちらのみなさま◎

有村 真大さん/パーソルキャリア株式会社
大谷 祐司さん/ミイダス株式会社
亀田 重幸さん/ディップ株式会社
※登壇順に記載

今回は各登壇者同士でお互いの発表の最後にコメントをする!という進行だったのですが、同じ業界の登壇者がどんなコメントをするのか....そんなポイントにも注目してご覧ください。

「doda」代理店営業向け 基幹システム構築プロジェクト(有村 真大/パーソルキャリア株式会社)

プロジェクト概要

今回お話いただいたのは、「doda(デューダ)」の販売代理店営業担当者向けの基幹システムの新規構築プロジェクトについて。目的と目標は下記。

目的

 ・代理店関連ご有無の工数削減/システム利便性向上
 ・システム二重管理の解消

定量的な目標

 ・年間約6400万円のコスト削減
 ・「doda」代理店販売に伴う社内工数の削減

2016年12月にプロジェクトが発足、プロジェクトが大幅に遅れそうな出来事もあったそうですが、最終的には当初予定から1ヶ月遅れの2018年6月にリリースが完了できたのだとか。今回のプロジェクトは2名体制で実施したそうです。

doda事業部の課題について

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当時、dodaの販売を担当していた事業部(上図右側)は直販営業のみを担当しており、代理店への販売チャネルを持っていない状況だったのだとか。そこで、別事業部内に代理店担当部署を新設したそうです。しかし、当時は下記課題があったのだとか。

 ・業務フローが複雑。2011年から変わっておらずパーソルキャリア社内だけでなく代理店営業側も工数がかかってしまっている
 ・「an」「doda」どちらかにシステム改修が行われると両方のシステム改修が必要となる

AsisとTobe

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もともと「an」のために作成されたシステムを「doda」に転用していたため、「an」と「doda」の代理店基幹システムを分ける必要があったのだとか。
Tobeとしては、業務プロセスにおいて不要な申請プロセスを排除し、代理店側だけで完結できる簡潔な業務プロセスを作成することを検討してきたそうです。

もともとのシステムでは「an」の基幹システムである「AL/AL-P」に「doda」の機能が共存しており、不足機能が多いために業務フローが複雑で、代理店ユーザーにとって利便性が悪かったのだとか。

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本プロジェクト対応後の媒体系システムでは上記に改修。「doda」代理店領域は「新システム」を構築し、AL-Pから分離、Wordやメール運用を極力廃止し、業務フローを簡潔化したそうです。

プロジェクトの効果について

プロジェクト実施における効果は下記の通り◎
合計で、当初年間6400万の削減を目標としていましたが、結果的に年間6,700万円の削減が達成したそうです!!

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 ・社内工数:削減コスト2,500万円
 ・外部委託費用:削減コスト2,700万円
 ・システム二重投資:1,500万円

特に社内工数に関して、法人申請件数、受注登録件数、メール起票件数は当初の目標通りの削減が実現。他の項目についても大幅にコスト削減が実現したそうです。

プロジェクト実施における難しかったポイントについて

有村さんが所属するBITAとは「Business IT Architect」の略称で、ITを活用して業務を変革させ事業貢献をすることを目的としているそうです。今回のプロジェクトも、「やれることはなんでもやる」をポリシーに、事業担当者に伴走しながら進めたそう。

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プロジェクト当時、事業部内には企画部門が不在だったため、条件を決める際も誰かに聞けばわかるという状態ではなかったのだとか。また、事業部同士は完全に独立しており、連携がされておらず意思をもってすすめる人も不在な状態。ただし、今回のプロジェクトを推進するためには、二つの事業部から情報を得なければいけなかったため、事業部間の調整が大変だったそうです。

そんな中で、BITAとしてこのようなことに取り組んだそうです。

・成果物作成
 - 6ヶ月の時間をかけて要件定義・要件検討を実施

・代理店ユーザーヒアリング
 - 代理店に訪問して実施

・部署間調整
 - 事業企画における権限ルール決め、規約変更、運用調整を実施

・業務マニュアル
 - 関連部署に展開・説明会実施・問い合わせ対応

・UAT推進
 - 200ケースのUATシナリオを作成、3週間毎日つきっきりでUAT対応を実施

・事業部タスクの追いかけ
 - 毎週進捗確認+メールでもリマインドを実施

このように、事業部間の連携がなく、情報も散在し、有識者がいない状態においても、ユーザーへのヒアリングから、マニュアルの作成、タスクの追いかけまでを実施し、無事システムをリリースすることができたそうです。リリース後も問題なく運用されているのだとか…!途方も無い作業に見えますが、大幅なリリースの遅延もなく、当初設定したKPIをほとんど達成することができているというのが素晴らしいですね◎

 

他の登壇者からのコメント 

大谷さん:私も実は以前インテリジェンスに在籍していて、その時に開発したミイダスが独立して会社になっています。なので、出てきたシステムや体制、dodaの皆さんすごく頑張ってらっしゃったことを見て、こうやって企画が形になっていくんだなというのをすごくいいなと思いながら聞いていました。

亀田さん:「an」の話がありましたけど、ディップでもバイトルというアルバイトの求人サイトをしており、ここにも代理店事業があります。まさに代理店事業が「an」と同じ状況でして、再構築したいなっというタイミングだったので、非常に参考になりました。

 

営業組織DX事例紹介(大谷 祐司/ミイダス株式会社) 

大谷さんからは、セールス組織IT導入成功のポイントをお話をしていただきました。

IT導入の難しさについて

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海外の調査によると、ソフトウェアの機能の利用率は64%ぐらいにおさまるというデータがあるのだとか。大谷さんも、これまで5社で、約20以上のシステムの開発導入を担当されてきたそうですが、「作ったけど使われなかった」という失敗を多く経験されたそうです。

広告代理店では7つのシステム開発を行い、そのうち3つはほとんど利用されなくなったということも経験をしたのだとか…!そのようなご経験の中で、気づいた4つのポイントを押さえて進めるようになってからは、作ったものが着実に活用されるような仕組みづくりができるようになったそうです。

ミイダスのサービスについて

まずは、ミイダスについて。企業と転職者それぞれが、自分たちの分析を行い、その分析結果をもとに、適材適所のマッチングを行うというような転職サービス。すでに、利用企業数は17万社以上、登録者数も50万人を超えるサービスとなっています。

今回はミイダスの社内システム事例として、ミイダスの新規事業である採用代行サービスにおいて利用するWebシステムを内製開発をしたお話をうかがいました。

仕組みとしては、企業から採用依頼を受けてミイダスの採用代行チームがミイダス登録者に電話でスカウトをする、選考に進み最終的に入社をすると費用をいただく、というようなモデルなのだとか。チームは、事業責任者1名、スカウト担当8名、日程調整担当1名の少人数で構成されています。

ミイダス本体と連携して使うというこのシステムですが、2名のエンジニアで2ヶ月で開発をしたそうです!

事業成功のポイント

企業から求人をもらったとき、“応募してくれそうな方“に優先的に電話をかけて、応募率を上げるということがポイント。
応募数を増やすという目的のもと、下記2つを実行できるシステム開発に取り組みました。

・求人に対して応募確率が高い人材をリストアップ
・リストアップした人材に効率的に多くのアプローチできるようにウェブで架電をできるシステムと連携

今回は、最も重要なKPIに関わる「スカウトの改善」にフォーカスをしてシステム化を行ったそうです。ここで、大谷さんがこれまでのご経験の中から気づいた、IT導入のポイントを4つご紹介していただきます。

IT導入における4つのポイント

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①業務理解を徹底的に理解する
現場から上がってくる課題に対し、それをITで解決することが正しいのかをきちんと判断するためにキーマンから業務内容を聞くだけでなく、その業務を2−3日程度自分でもやってみるようにするそうです。

現場から聞いていた課題の根本に、別の真の課題が隠れていることがよくあるのだとか…!現場の担当者は、その根本的な課題はもう自分たちで解決できない、ルールだから絶対にこれは無理、などと誤解をしているケースが非常に多いそうです。

実際に業務をすることで、業務側のメンバーと共通認識を持つことができ、より深い話をしながら、根本的な課題解決を一緒に目指すことができるようになるというポイントが◎

②できる限りコストをかけずにトライアルでやってみるということ
IT活用をするときに、未経験のことでもチャレンジをして、そのITに関するポイントを自分で体感するということも大切なポイント。

仮に、そのITを使いこなせるようにならなかったとしても、トライしたことで、用語や、できることが理解できるようになり、これを使えば課題の解決ができそうだという確信を持ってプロジェクトを始められるようになるそうです。この方法を取り入れることで、圧倒的に成功率が高いプロジェクト運営ができると考えていると大谷さんは語ります。

③システム導入を目的にしない
システムを作る事はあくまでも手段であり、最小の工数で最大の効果を出すということが大事だと考えているのだとか。

困っている人に手を差し伸べてシステムを作ったとしても、結局定量的な成果にこだわらなければ、結局根本的な課題解決できず、投資対効果が適正だと認めてもらえないと強く感じているそうです。

以前は、偉い人からの指示は「偉い人が言うんだから正しいんだ」と判断して取り組んだりもしていたそうですが、最近は一歩引いて本当に正しい選択かを考え、ロジカルに、かつ定量的により良いソリューションを提案するようにしているのだとか。投資対効果をクリアにしてより成果が出る方向に持っていくことを心がけているそうです。

④業務フローで必ずそれが使われる仕組みにするということ
作ったシステムが業務フローの中に組み込まれていなかったために定着しなかったという失敗も多くあったそう。もちろんしっかりと内容や必要性を説明し、重要性を理解してもらうことは行いますが、それに加えてこのシステムを必ず使わなければいけないというようにそもそものルールを変えるということを心がけているそうです。

例えば、Salesforceを導入した際は、もし案件が失注した場合は、必ず失注利用を記載してもらうための仕組みを導入。
理由を記載しなければその案件が失注したというステータスに変わらないという仕組みとし、意味があることをちゃんとやってもらえるようなルールに変更したそうです。

営業組織のIT導入は大変な作業ではありますが、導入したシステムがバチッとはまったときの投資対効果や事業の発展は非常に大きいもの。大谷さんからお話いただいた4つのポイントをぜひ活かして取り組んでみてください♪

 

他の登壇者の皆様からのコメント

有村さん:お話の中で、一つのプロジェクトを進める上で必須のツールを端的にまとめていただいていましたが、すごく重要だと思います。我々のようなシステム開発側の担当と、事業部側の認識の開きはやはりあると思います。ユーザー担当者が、結構そのシステムを導入することを目的としてしまうということは、私も実感しています。その際に、そうじゃないときちんと説明することが大事だと思います。やはり少ない工数で最大効果をしっかり目指していくことがすごく大事だなというのは、非常に共感が持てたところでした。ありがとうございました。

亀田さん:全てが共感できます。まさに僕もメンバーに話していることがそのまま書かれていまして、このまま教科書として提供したいなと思いました。同じ失敗も経験してきました。ここだけではなくもっと共有したいような内容でした!

 

SFA利用率99.9%を達成! 営業になりきるコスプレUXを使おう(亀田 重幸/ディップ株式会社)

今回は営業のDXとUXデザイン観点からお話をいただきました!
亀田さんによると、「コスプレUX」は「ユーザーになりきること」なのだとか。有村さん、大谷さんからも「現場に行くことが大切」「ユーザーの課題を聞く」などのお話がありましたが、それと同じことなのだそうです。

冒頭では、最近よく聞く言葉「UXデザイン」について。実際にはどういうものなのかを改めて整理していただきました。

UXとは

デザインとは、絵などの何か美しいものというよりは、問題を解決する手段と定義されているんだとか!見た目ではなく、課題解決の考え方がデザインであると亀田さんは語ります。

DXは、ビジネス上の課題解決をし、売り上げを上げるためありますが、ここで使えるのがデザインなんだとか。

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特に、人が活動する営業活動において、UXデザインは非常に重要であるそうです。
ここからはディップ社における実際の事例をご紹介いただきます。

ディップ社の事例からデザインの重要性を紐解く

現在、24期目となるディップ社ですが、CRM/SFAを導入したものの、なかなか定着しなかったのだとか。

CRMが定着しない理由ついては下記のような声が上がっていたそう。

 ・顧客検索に10秒以上かかってしまい遅い
 ・商談項目も多く入力が面倒
 ・PC版のみで、VPNを張るのが面倒
 ・入力して意味あるんですか?という疑問

ここで、UXデザインの知識を営業現場で使ってみたらうまくいくのではないかと仮説を立てて、作成したものがこちらのレコリン。

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今行くべき顧客が可視化され、商談入力も簡単、入力するだけで上司に報告できるというような仕組み。このレコリンを導入することによって、目に見えて業務の工数削減が進んだのだとか。

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これまでは、リストの整備やアポ獲得、商談などはExcel等を使って管理していたのだそうですが、この各工程にかかっていた時間をそれぞれ半分くらいに削減することに成功し、営業人員1人で1日1時間ぐらいのコスト削減に繋がったそうです。ディップ社には営業人員が1500人以上いるため、合計するとかなり大きいコスト削減に◎

このレコリンが1500人以上いる営業人員の99%、ほとんど全員が毎日使うシステムとなりました。

また、このシステムの中には、営業の行動データがどんどん蓄積され、数万件以上のデータが溜まっていく仕組みがあり、このシステムを作り上げるために実践したのが「コスプレUX」。

コスプレUXの実践

具体的には、有村さん、大谷さんのお話にもあったように、亀田さんも営業の現場に3−4ヶ月通いつめたそうです。亀田さんの場合は、一人の営業に完全密着し、業務を隣で見せてもらったり、一緒に営業をしたりしたのだとか...!そして、「この営業が一番楽になるツール」を作り上げたそうです。

最初はプロトタイプで作成したそうですが、それがどんどん進化していき、使ってくれる人も1人から3人、5人と増え、事業部単位で使われるようにまでなり、多くのデータが取れるようになったそうです。データの蓄積によって、営業活動のKPIを完全網羅、正確な数値と予測ができるようになったんだとか!

使いやすいプロダクトを作ることは、データを取得・蓄積を進めるだけでなく、どこにKPIのボトルネックがあるかわかるようになり、ビジネス課題の解決に繋がります。これが、UXデザインの考え方で、実際に人に寄り添っていくことが営業においても重要であるということがわかった事例となったそうです。

そもそも、データを取れなければビジネスの改善にはつながらず、データを活用しなければ営業効率化の糸口はないと亀田さんは語ります。

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亀田さんは、データだけでは意味はなく、ビジネスだけでも意味がない。使いやすいプロダクトがあり、それがデータをとる、そこでUXを使う、一つ一つの概念が噛み合って初めて、DXが生まれ、新しい事業が回ると考えているそうです。

データファーストの考え方を実践するためには、まずはデータが取れる環境を整えることが大切であり、データを集めるためには、プロダクトの使いやすさが大切なのだとか。

「コスプレUX」では、特に3つのことを大切にし、実践したそうです。

①現場の声を必ず聞こう
現場に寄り添っただけではうまくいかないので、もちろん工夫は必要ですが、現場の抱える真の課題を求めるためには現場の声を拾い上げる必要があります。アンケートやインタビューを通して、下記のようなポイントを確認するのだとか。

 1.面倒に感じる業務:業務遂行に欠かせないが面倒に思う業務は何か?
 2.課題の大きさ:面倒に感じる業務が占める割合
 3.現在の解決方法:課題を解決するために現在どんな工夫をしているか?
 4.苦痛を取り除く糸口:どう解決したらいいと思うか?
 5.利用環境の確認:どのような業務システム・ツールを活用しているか?

特に心がけているのは、課題の大きさを確かめるようにしているのだそうです。本当に困っていることが何かを抽出するために、WANT課題ではなく、MUSTの課題を狙いにいくのだとか。その業務がどれだけ苦痛かを確かめるようにしているそうです。

②ユーザーの行動を分析する
現場の声を聞いた後は、行動分析を。ジャーニーマップを使うなどして、ユーザーの行動を探っていくそうです。

③課題と解決策をまとめる

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亀田さんは図のようなピッチシートを作成してまとめていくそうです。
ペルソナを定義し、何に困っているか、どうやったら解決できるか仮説をまとめていきます。その際に今やっている解決方法や、新しい解決策の優れている点も一緒にまとめ、どれくらい楽になるのかをひたすら検証していくのだとか。これが「コスプレUX」だそうです。これをやっていけば、絶対に使われるシステムを作ることができるそう。1人が使えるものであれば、きっと3人、5人と使える人が増えていく可能性があります。このプロセスが、営業DXに繋がっていくそうです。

営業DXの後に起こったこと

レコリンを導入し、営業が非常に楽になり、データも取れるようになったそうですが、それだけではなく、もっと良いことがあったのだとか…!

社内にあったRPAの改善や営業DXの改善を元に、「コボット」という企業のDX支援をするサービスを新規事業として立ち上げることができたのだとか。

面接支援、人材派遣や不動産業界特化型、ホームページ作成支援など新しい事業も増えていき、社内DXの経験が新しいビジネス創出に繋がったそうです。

このような事業創出だけでなく、営業メンバーが開発にジョインした横断組織が誕生したことも。営業職のメンバーが営業をやりながら開発に関わり、自分の業務改善を推進し、営業目線で本当に使いやすいものを作っていくという部署が新設されたそうです。

まとめると、下記のポイントが重要とのこと!

 ・ユーザーの使い方とデータが非常に大切
 ・使われないシステムは全て無駄になってしまう
 ・きちんと使われるシステムを作るためにUXデザインの視点を取り入れながら、「コスプレUX」を実践していく
 ・そのためには現場に行って実践すること

みなさん、現場の声を拾い上げることは共通して重要なポイントとあげていただきました!その中でも、UXデザインの視点を取り入れることでより効率的にユーザーの行動を理解することができ、それがビジネス課題の解決から新規事業創出にまで繋がる…理想的な事例の後共有でした◎亀田さん、ありがとうございます!

 

他の登壇者からのコメント

有村さん:亀田さんはすごい深いところまで見ていらっしゃるんだなと思いました。皆さんの質問も出てましたけれども、営業さんにも3ヶ月密着するというのは、やっぱりなかなかできないことだと思いますし、個人の方の専用のシステムを作るっていうのもすごい行動だなと思います。営業を楽にする、といったキーワードは当社でも出るんですけども、それをやるには何をしたらいいか、ということを本当に理解されてらっしゃるんだなと感じ、感動いたしました。ありがとうございました。

大谷さん:私もすごく感動しました。本当にすごいなと思ったのは、やっぱり1人の課題を解決するというものをしっかり作って、それを広げていくっていうやり方です。本当にいいものじゃないと絶対広がらないと思いましたし、そこを1ヶ月ほどで作って、広めていくのは本当に素晴らしいなというふうに思いました。ディップさんは、すごくIT化や、テクノロジーの会社になると行ったことを推進されていて、すごい会社だというふうに思っていたのですが、内部でシステムを作ってる方も本当に素晴らしい方で、何かジェラシーを感じましたね。

www.slideshare.net

 

まとめ

今回のイベントでは、登壇者がお互いの発表に対してコメントをする・称賛をするという流れが素敵でした!

参加者からの声

・競合他社同士のDX状況が把握できた
・すばらしいですね!みなさん生々しいお話でこれはなかなか聞けないです!
・現状の仕事の役割として「お客様に対して営業のデジタル化」と「社内のDX化」に取り組んでいます。今日の講話内容をお聞きした上で、自身の考えや行動が大きくズレてはいないことを知れたのが良かったです。参考になる箇所もあったので、それも取り入れてアクションしていきたいと思います。ありがとうございました。
・どの登壇者の発表も、実際に色々経験されて苦労されてきた結果がにじみでていて非常に参考になりました!

ビデオオンの参加者の方々との集合写真

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次のページでは各登壇者の方々へのQ&Aを紹介します。

 >>Q&A


参加者からのパーソルキャリア有村さんへのご質問

(Q)基幹システム、どんなシステム、なんの言語で構築されているのでしょうか。
(A)特定の言語というよりかは、いろいろな言語で作られてるっていうのが多いですね。

(Q)顧客情報を取り扱うって考えたら、やっぱクラウドでのシステム構築はできない感じでしょうか
(A)実は、クラウド化は進めております。現状の先ほどの代理店様向けのシステムに関しては、データセンターの中に構築をしているのですけども、今ちょうど、クラウド化に向けて進めていこうという動きが出ております。おっしゃる通り、情報資産の扱いが難しくそこについてはかなり長い時間かけて議論が進んでいるのですが、少しずつ改修しながらクラウド化に向けて動いている段階です。

(Q)チームが異なると調整が死ぬほど面倒くさいですよね。 文化も雰囲気もちがう人達の間に立つうえでどんなふうに立ち回ったほうがいいとかありますか?
(A)当社パーソルキャリアで、掲げる価値基準が3つあり、外向きの視点を持つこと、自分ごと化していくこと、成長マインド持つことの3つを大事にしています。今回も、本当に面倒くさかったこともたくさんあったのですが、最終的には使っていただくユーザーの将来像を想像しながら、課題を自分事化し、自分がもし代理店の営業さんとして活動するときにこういうのがあったら楽になるだろうな、などと想像しながら、真摯に向き合ったというのがまず一つですね。また、少し精神論になってしまいますが、諦めない心を持って、一つ一つしっかりビジネスプロセスを作り、わからないところは、一つ一つしっかり細かく規定する、といったことを行なっていくのが地味ではありますが重要かなと思います。

(Q)なにからなにまで行われていたとの事、「正直やってられない!」など思う瞬間はありましたか?また、その時にどのようなセルフコントロールをされて乗越えましたか?
(A)セルフコントロールはすごく大事だと思っています。正直、今回のプロジェクトは2人で進めていたのですが、時間的にも業務的にも余裕もなかったので少し険悪になってしまったこともありました。そんな時も、例えば、その言葉尻の強さを意識するのではなく、相手が本当に伝えたいことは何なのかを、ちょっと落ち着いて考えてみたりするなどを行なっていました。あとは、ストレスをなるべく次の日に持ち越さないという意味で、その日のうちに解消するということも意識して行なっております。

 

参加者からミイダス大谷さんへの質問

 (Q)VPoE、はじめて聞きました。どのような役割なのですか?
(A)組織作りだったり、マネジメントだったりをエンジニア組織に対して行う役割になります。

(Q)営業さんに活用されているか、そうでないかの判断は主にどんな指標をみていますか?
(A)自前のシステムとパッケージシステムで違うのですが、自前でシステムを作ったときにはそのログを見ることもありますしログイン率を見ることもあります。全部の業績に対してシステムを経由して、データも見るようにしています。Salesforceのときは細かくチェックをしていました。失注理由、受注理由などもレポートを出して全部見ていましたね。アルファベットAとかだけ書いてあったら絶望したり(笑)

(Q)スカウトをITで改善するポイントはMiitel導入、分析等以外にありますか? メールの改善も知りたいです!
(A)スカウトは電話中心なので、それこそトークや時間帯、どの電話番号からかければいいか、どんな人にどんな求人をご紹介すればいいのか、こういうときには1回アポを取ってもう1回かけたほうがいい、などのデータを収集していました。特に、録音データが見られるようになってからは、どういうふうにお話をすれば、いい形で案件の魅力を伝えられるかという点が改善してきているように思います。

(Q)「真の課題の発掘」が重要だと理解しましたが、実際にどの程度の割合で真の課題が出てきましたか?ざっくりで結構です。また、実際に業務をしてみる以外にもヒントになるアクションがあれば教えてください。
(A)オーダーの半分ぐらいは手段をお願いしてくる感じはします。解決したい課題ではなくて手段、例えばメーラーにこんなテンプレートの仕組みを導入したいです、など。よく聞いてみると、メーラーに何かを入れればいいわけではなくて、そもそもその前提として、それは、素早くメールを返すよりも、1回自動的返信しておいて後から返せばいいのではないかとか、そういった解決方法の方が増えてきたりとかそういったことはしょっちゅうありますね。同じような業務をしている情報だったりとか、類似企業の人を見つけて話を聞くみたいなことはすごく参考になります。

(Q)業務工数算出において、やりやすい方法や効果的に見せる方法があれば教えてください。
(A)%で見せるのがやはり大切です。

(Q)ITの施策をやる際にやる意義(必要性?)をしっかり説明することが大事になってきますが、「根本は変えられないという誤認」を変えていく簡単な方法を教えてください!
(A)例えば、中期経営計画何する達成するための重要なアクションKPI数字は何で、だからこそこれをこうしなきゃいけないところを理解をした上で、今の優先度は本当に正しいのか、という話はよくします。そういう意思決定の最も上のところをしっかり把握をし、現場の組織をしっかり理解した上でコミュニケーションとるっていうことですかね。

(Q)コスト削減は算出しやすいですが、例えば、接触率の改善から売上金額の効果試算をする場合はどのようにやっていますか?
(A)仮説を作ってデータサイエンティストにそれをお願いしています。例えば、よく話してたりするのが応募率や企業の契約継続率にどうインパクトあるかなど、サイトをどう使ってるかがどう業績にマッチするかといった話です。ある程度、こちらで仮説を作り、データサイエンティストにその仮説検証をお願いしています。

 

参加者からディップ亀田さんへの質問

(Q)UXデザインに着目したのはたまたま亀田さんがUXな人だったからですか?それともこの界隈で注目度上がってきてますか?
(A)実際、新規事業で失敗しまくった経験があり、使われるシステムをどうしたらいいのかなとひたすら考えたときにこのUXデザインという言葉について調べたっていうのがきっかけです。

(Q)ディップさん、先進的なイメージ!「ディップのここがすごいよ」「ディップ自慢」を教えてください。
(A)最近はテック企業っぽくなってきましたね。レコリンのようなシステムをみんな使っているので、新しいシステムをみんながどんどん使っていきたいという気持ちが高まってきているように感じます。

(Q)社内、自転車移動?!そんな広いオフィスなのですか?
(A)オフィスは普通のオフィスです。(笑)資料にあった自転車は営業用の自転車です。

(Q)密着している間、自部署の理解が得られていたのがすごいですね ディップさんの営業部隊は快く受け入れてくれる文化なのでしょうか。
(A)当時はそうでもありませんでした。レコリンを使う前は何か怪しい人って感じでしたね。なので、不思議に思う人、興味ある人、嫌だなと思った人がいると思います。やっぱりシステムの人がきて何するの、っていう疑問や期待があったと思います。普通はシステムの人は現場に来ないので、現場の人もあまり期待は大きくなかったと思います。

(Q)聞き逃しちゃったかもですが、密着していた営業マン専用のシステムってどのくらいの期間と人員で開発したんですか?
(A)本当にペーパープロトタイプ作りながらやったので、これ自体は多分1ヶ月間ぐらいで本当に簡単なシステム作りをしました。

(Q)営業メンバーが開発にジョイン!!!? 希望者を募ったのでしょうか?営業とその他でどのくらいの割合なんですか? もともと営業も開発知識がないとNG?
(A)レコリンを使っている営業担当の中から、改善案をどんどん出してくれる人を選びました。開発知識はゼロで、とにかく営業をもっと楽にしたい、業務改善をしたいという思いを持った人を選びましたね。

(Q)外部のお客様に対する営業のデジタル化に取り組んでいるのですが、社内のように誰かに張り付くということが難しいと思います。お客様を巻き込む場合のデータの取り方や成功するためのコツがあれば、教えてください。
(A)クライアントワークとなると、その社員の方にうまく動いてもらうようにするのがいいのかなと思いますね。声が見える形で情報が取れ、営業の信頼が得られるかどうかやっぱ大事だと思います。いいシステムを作っても営業が信頼してくれないと、使ってもらえないのでうまく顔が見える状態でコミュニケーションをとっていくのが大事だと思います。

(Q)現在、UXやデザイン思考を勉強しているのですが、参考になる本やサイト、セミナーなどを教えてください。
(A)今日のお話は『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残るー藤井 保文 (著)』に同じようなことが書かれていて、参考になると思います。デザイン思考については、本はまだ少ないですが、Amazonで検索してデザイン思考やUXとつく本を一つ一つ全部読みました。時間はかかるんですが、それがいちばん早いと思います。

(Q)営業担当者にとってはデータを記録することは主たる業務ではないという側面があると思いますが、記録を促進するためにどのようなことが必要でしょうか?企画部門からのとりくみだとうまくいかないのでは、、と思っており、営業担当者にとってのメリットが難しいと思うのですが。
(A)これも実は工夫したポイントの一つで、僕らの意見に対してデータを入れてくれということは一言も言わなかったです。もちろんデータが増えた後に、レポートがすぐ配信されるなどの仕組みも取り入れていましたが、正直レポートは見ないので、それよりも顧客を探しやすくするという仕組みを工夫しました。いかに顧客を探しやすくするかを工夫することで、「このサービス使える」「顧客を探すならこれを使ったら便利」という風に思ってもらうことで、じゃあデータも入れようかという風に繋がって行ったと思います。

(Q)PJTの成功において、最も重要だと感じたことはなんでしょうか。
(A)対象となるユーザーを詳しく知ること、その人の仕事をマネできるくらい勉強する、何が1番苦痛なのか探る、解消されたらどのくらい嬉しいのか自分ごとにして考えるこの4点だと思います。

(Q)右も左もDXってワードがあふれてますね。ってことで、営業活動から実現できるDXって何かありますでしょうか?
(A)
有村さん:何を変えていくかっていうところになると思いますが、最終的には営業活動ってお客様を通して行ってるところになると思います。例えば僕らで言うと、最終的には求人があり、そこに対しての採用がその成功して、すごくいい形での採用成功体験を行ったのが提供すること、そこにどんどんフォーカスしていくことで、よりお客様と一体になっていくことが実現できていくんだろうなと思います。

大谷さん:世間一般のイメージだと、営業組織はDXと遠いと言われがちですが、営業組織こそ、DXを知ってる人間が、何か難しいプロセスを通さずにサクッと作れちゃうような状態になってくると、たくさんのすごくいろんなところでDXが生まれるんじゃないかなと思っています。そのためには、もしこのイベントを聞いてる営業の方がいらっしゃったら、無料で学べるITツールはたくさんあるので、ぜひ使ってみるのはといいんじゃないかと思います。

亀田さん:やはり先ほどお二方がありましたが、やはり課題解決をしてお金を儲けていくという形になっているかと思うのですが、営業活動って一番お客様と接してお客様から課題をきく仕事だと思います。なので、一番DXに入口になる職種だと思っています。営業活動がなければ、課題にも気付けない。一番大事な営業活動やっていけばDXはどんどん自然と生まれてくると思います。

イベントレポートは以上となります!
ご登壇してくださったお三方、ご参加いただきました皆さんありがとうございました◎
次回のレポートもお楽しみに♪