こんにちは!TECH Street編集部です。
9月4日(金)に開催されたTECH Street主催、『エンジニアの夏休みの自由研究発表会』のイベントレポートをお届けいたします!
“夏休みの自由研究”なんていう言葉を耳にするのは小学生以来のことではないでしょうか。今回のイベントは、総勢6組の大人のエンジニアが、ちょっと本業から離れたところで楽しみながら研究を深め、その成果を発表いただく場となっています。しかも、それぞれの持ち時間は10分間。視聴者もテンポよく、サクサクッと楽しめましたのですが...
参加者の感想では、
『最高にくだらなくて楽しかった』
『爆笑できる内容が多かった』
なんていうコメントが多数(笑)一体、どのようなプレゼンだったのでしょうか。それでは爆笑・拍手喝采が起きたデモの様子も含めて当日の発表内容を紹介していきます。
『大人の時間割を考える』元木 理恵さん/株式会社サイバード Voice UI部
今回のテーマを考えるきっかけとなったのは、リモートワーク。これまで以上に自分で時間管理をすることが求められるようになり、きちんとスケジュール管理や運動をしたりして自分を律する必要性を感じたという元木さん。
これには参加者の方からのコメントでも「時間に気づかずMTGブッチした事多数、、、汗」というような嘆きも。
大人は学生のように一週間きっちり時間割を作ることはできないけど、始業時間、終業時間、お昼休憩の時間はだいたい決まっているので、その部分の時間割は作れる!!ということで、元木さんはAmazon Alexaの定型アクションに注目。
時間帯や何かを言ったときに、音楽を流して、時間の仕切りに使ったのだといいます。例えば...18時に『蛍の光』を流すことで、“仕事が終わった”ことを自分に意識させることができるという感じ。
なるほど!そういえば小学生の時には、授業の終わりにチャイムが待ち遠しかったですよね。Amazon Alexaを使えば、こういった仕組みが、ノープログラミング、ノーコードで作れるのがポイントですね。
チャラ電Mitzさんも「スマートスピーカーは、特別な開発をしなくても、入れるだけでできることはとても多いですよね」と一言コメント。今度こそ、私もスマートスピーカーを購入しようと思いました!
『ぼくとWinActorの夏休み』Λ(らむだ)さん/RPACommunity
2番目の登壇者であるΛ(らむだ)さんが選んだテーマは「ぼくとWinActorの夏休み」。「WinActor」というのはRPAツールのRPA認定技術者エキスパート資格を保有するΛさんらしいセレクトですね。
まずらむださんは、新型コロナウィルスの影響によって、以下のような状況になっていると分析。
・テレワークになった
・会議やお客様への訪問などリモートの業務も増えた
・在宅時間が増えたことにより動画を観る方が増えた
・イベントやセミナー、研修などは中止になり、今ではオンラインに切り替わっている
だから今こそ、RPAをはじめるチャンスとばかりに、各ベンダーが様々なキャンペーンを実施し、RPAを使ってもらおうという取り組みを行っていたと説明。その中から、らむださん的に、気になった2つのRPAのキャンペーンを紹介。
気になるキャンペーン①:「WinActorのライブラリ、457本ノック」
WinActorには、「ファイルを開く」「ファイルから値を取得する」などの定型アクションが部品としてライブラリに登録されている。それらを具体的にどのように配置をすると、どのような動作をするか、設定のコツなどが動画で紹介されている。これからWinActorをはじめたいと考えている方には必見の動画になっている。
気になるキャンペーン②:「メール転送・周知業務代行ロボット」
お客様や取引先に対して一斉にメールを送信する際、宛先を少しだけ変えたり、添付ファイルをフォルダに入れて圧縮して添付する必要があるが、この作業をExcelで送り先やメールのアドレスを作っておくだけで自動的に行ってくれるRPAが配布されている。
やっぱり、らむださんみたいなプロフェッショナルな方と気軽に繋がれるのが、こういったコミュニティの魅力だと改めて...!
Mitzさんも「エンジニアの方々もプログラミングなどのエンジニアリング仕事をしたいのに、実際は普段の書類仕事に時間を費やしているというのは、企業勤めのエンジニアの方々のあるある。そういう方はこのように自動で行ってくれるツールに任せて、一番やりたい仕事をするということがいいかもしれませんね」とコメントしました。
『ビンゴを活用したコミュニケーションプロジェクト』
3組目に登場した柳 賢二さん、浅見義治さんの発表テーマは「ビンゴを活用したコミュニケーションプロジェクト」。ビンゴといえばゲームだし“面白ネタなのか?”と思いきや、めちゃくちゃ真面目な内容でした。
社内有志によるアプリ制作の過程を報告するという内容だったのですが、ご本人たち曰く「遊びとしてはスーパーリッチな遊びになりました」というくらいに、本格的なプロジェクトでありながらなんと開発の期間は1ヵ月、社内リソース自体は10%のみ!
作ったのは、大切なコミュニケーションのきっかけをつくる「ビンゴトーク」というアプリ。ビンゴの開ける穴を人に番号を振り、その人と繋がっていくとビンゴの穴が開けられるという仕掛けです。実際に皆さんが、このアプリを使ってコミュニケーションを深めている様子が映し出されて、その楽しさが十分に伝わってきます。
「今は、コロナ禍でコミュニケーションが取りづらい状況で、オンライン飲み会でも楽しめるのではと思っています」とのコメントにも納得。
また、簡易な取り組みながら、サーバーやインフラの知識が必要であったり、その裏でデプロイする話であったり、webサービスの開発、デザインなど必要要素がぎっしり詰まっていることから新人研修にも最適!
10%の社内リソースで進めたものとは思えないほどのクオリティに驚き!大人の“夏休み”って、業務以外のチャレンジができるのがいいですよね。
Mitzさんからも「コミュニケーションの大切さをエンジニアとひもづけていただくのは、非常に嬉しいですね。エンジニアだからこそ、コミュニケーションをとることで生産性を上げるという点に着目されているのがいいですね」というコメントがありました♪
『おうちハックのすすめ』ななみんさん
休憩を挟み、4番目に登壇したななみんさんは、『おうちハック』の提唱者として知られた存在。まずはななみん流の『おうちハック』としてはこの4つがポイントとのこと。
・IoTの一分野!→自宅にWi-Fiさえあればなんでもできる!
・目的としては自分や家族、ペットの暮らしを便利で楽しくするため
・ハードウェアやソフトウェアの開発をしたりしなかったりして、量産品も活用しながら
・理想の生活を追及すること
ななみんさんが、『おうちハック』をはじめたのきっかけは、一戸建てへの引っ越し。
・ソフトウェアはweb上にソースが転がっていて、コードが書けない人でも、簡単にコードが作れる
・ラズパイやESP32系など安価なハードウェアが手に入る。しかもJAVAでコードがかける。
このような時代背景の中で、一度、自作したガジェットを家で使ってみて、不便な点を改善していくというサイクルができあがると、リモートワークで家にいる時間も長いので様々なものが改良されていく!
ちなみに、ななみんさんがこれまでに作ってきたものが、、、すごい!(ちらっと写真に写っているネイルにもご注目w)
・IoT扇風機
・温度が上がったら寝袋のファスナーが自動に開けられるガジェット(おうちキャンプ用)
・マビーという電池型のガジェットを使いフーリーに繋げて、ハンガーを揺らすガジェット
・超音波振動子を水につける加湿器
・冬の時期に首元を温めると起きるIoT枕 などなど
こういったモノづくりの中から、未来をつくるイノベーションの種が生まれる可能性だって大いにあり得るので、個人的にもななみんさんのブログをのぞきに行こうと思いました♪
『JavaScriptで殴ったらあつ森の攻略サイトが出来た件』モギュさん
5番目に登場したのは、なんと大学4年生のモギュさん。顔出しNGとのことで、なんと白戸家のお父さんの被り物で登場。しかも発表中もずっと、そのまま犬!なんか可愛い!とコメント欄が湧いていました。
さらにテーマは「JavaScriptで殴ったらあつ森の攻略サイトが出来た件」と、尖がりっぱなし!もう被り物もタイトルもめちゃ気になるし、しかも学生さんの参加ははじめてということで、とても新鮮な気持ちで話を聞くことに。
内容は、あつ森内でユーザー同士のアイテム交換をサポートする「DIYレシピチェッカー」の開発ストーリー。アイテム交換には、
①直接アイテム交換する方法
②有志の方が作ってくれたアイテム一覧の画像を、自分で画像編集してアイテムを交換する方法
この2つの方法があるものの、、持っているレシピを把握しきれていなかったり、画像加工が大変だったりするため、それらを解決するために、アイテム比較の機能と画像作成の機能を搭載したサイトをJavaScriptを用いて開発するに至ったのだとか。(制作期間は1ヶ月、コード量は1〜2000行ほど!)
現在はブラウザのみで起動していますが、今後はアプリストアから配布できるようなアプリを作りたいと意欲満々。それも「React Nativeというライブラリを使い、JavaScriptで開発をしたいと考えています」とコメントするほどとにかく、JavaScript愛がハンパない!最後まで「JavaScriptはいいぞ」を連発していました。
そのアツさが素敵!あつ森を題材にしたことで、内容的にも夏休みの研究課題にふさわしく、ほっこりしたものになっていましたね。
『ハードウェアを動かす自由研究』木戸さん
最後に登場したのは、木戸さん。“自分の悩みを解決するツールを作ろう”と考え、その開発過程とデモを披露してくれました。
木戸さんの悩み:在宅勤務になってから人と会話をする機会が少なった!
↓
代わりにチャットなど文字のコミュニケーションが増え、ちょっとした言葉が絵文字に変わってきた気がする
↓
声が絵文字になったので、絵文字を声に戻せばいいのでは?
でも声は難しいから...絵文字を物理的な音にしてみよう!
↓
クラッカーの絵文字を見つけたら、クラッカー(本物)の音を鳴らせばいいんだ🎉!!
ここで、私を含めちょっぴりクスッとしてしまった人も多かったのではないでしょうか。すごく論理的なんだけれど、真面目にくだらないこと(失礼)を考える、その発想が夏休みの自由研究っぽい(笑)。
仕組みは、Twitterなどで絵文字の検索をしてNode.jsでカウント。クラッカーが溜まってきたらobniz Boardにモーターをつけてそれを回すのだとか。するとクラッカーについた紐が引っ張られて「バン」と音がなる。「プログラムとしては70行ほどで簡単に作れました」と言います。
ちなみに、obnizとは、クラウド上のAPIを叩くと物理的にモーターを回すことができたり、人がいるかいないかを検知することができるアプリ。ベースがJavaScriptなので、web技術を持っている人に親和性があるとのこと。
ここからデモがスタート。
ツイッターで 🎉つけた投稿見つけたら発火するようになっていて、参加者の皆さんの書き込みに反応して…あれ...鳴らない....あれ....バンッ!!!っという感じでクラッカーが破裂して大成功!!参加者一同大爆笑と拍手の嵐。
色々な応用が考えられるようで、例えばTwitterだけでなく、Slackのスタンプとの連動も可能。誰かが「おめでとう」のメッセージを送信した瞬間に、部屋のどこかでクラッカーが鳴るようなサプライズを仕掛けることができると紹介してくれました。そのアイデア、いただきって感じですね。
まとめ
ということで、今回は「スマートスピーカー」「おうちハック」「IoTガジェット」「RPAツール」など、様々な技術テーマを扱いながら、ちょっと肩の力を抜きながら参加していただけるようなイベントになったのではないかなと思います。勉強にもなりつつ、大人になっても好きな事をとことん研究したい!というエンジニアの愛のある発表が率直に楽しい!と思える、そんなイベントとなりました。
参加者満足度・コメント
なんと、94%の方が非常に良かったと回答いただき、コメントでは
・ラフにみなさんがどのようにITを活用しているのか知れてよかったです
・普段知らないエンジニアの素の顔や私生活が知れた
・知らない技術を学べる、発表者のプレゼンもうまくとても勉強になりました。
・今後も技術の無駄遣い的なテーマに期待します
というような声もいただきました!嬉しい!お正月もエンジニアの皆さんがなにか自由研究しないかな...冬休み明けも発表会したな...なんていう期待を密かにしていたり...
集合写真
今回ご登壇いただいた皆さま、司会進行のMitzさんありがとうございました!犬の被り物が可愛すぎたり、手作りIoTがすごかったり、最後にクラッカーが鳴ったり....最後まで楽しく参加させていただきました♪今後も楽しく学べるイベントを開催していきますので乞うご期待を。
( 取材:伊藤秋廣(エーアイプロダクション) / 編集:TECH Street編集部)