Dynamics 365 Discovery Dayとは
「Dynamics 365 Discovery Day」は、日本マイクロソフト株式会社が主催するイベント。2019年12月12日(金)に開催され、ビジネスリーダーに向けて、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)を推し進めるにあたってのヒントやアイデアを共有するというものでした。
TECH Street編集部もイベントに参加し、これまでにDXを実行してきた先進企業の事例や今後のさらなる進化のために本質的に何をすればいいのか、各企業がMicrosoft Dynamics 365活用し着実にDXを実現した内容を実際に聞いてきました!
各社のDX推進の道のりの中で「こんなところで躓いた」という部分も伺うことができ、失敗の経験が次のチャンスを生む力になるなど、様々な壁を乗り越えながら環境を整えてきたお話を聞くことができましたよ◎
ここからは写真を交えながら、当日の様子をレポートしていきます。
ちなみに、今回は日本マイクロソフト社の本社にお邪魔させて頂いたのですが、目の前の広場がイルミネーションで彩られており、品川駅前はすっかりクリスマスモードでした(笑)
いよいよイベント開始!
今回のイベントはおおよそ100名弱の経営者やジネスリーダーが参加。基調講演とテーマ別分科会、クロージングセッション、懇親会という企画構成で約半日かけて行われました。
日本マイクロソフト社よるオープニングセッションでは、2025年までに膨大な数のデータ量が生まれるものの、データ活用や分析が思うように進んでいかないという世界のビジネス経営における課題や、デジタル経営度合いを図る「DX格付」なるものが経済産業省によってすでに導入されている、という会場が一瞬ざわっとするようなお話も。これからのビジネスにおいていかにDXが重視されるか、DX時代がやってくる中で同社ではどこに軸を置いてDXを推進してきたのかをシェアして頂きましたよ。
オープニングセッション後は各企業における事例紹介がスタート。ここからは各社のプレゼン内容を紹介します。
パーソルキャリア株式会社 / 田中 進氏
■Dynamics 365で実現する業務のデジタルシフト(矢野 高史氏 / あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
こちらのプレゼンでは、“自らの業務を自ら変革する”という言葉が印象的で、同社でのDynamics 365導入によるアプリの実装事例として電話連絡フローの改善を見せて頂きました。アプリ実装はもちろん効果があったものの、意外な効果として「変革マインド」を持った職員も登場するようになったというお話も。
最後には、「デジタル推進は人が行うものなので、人材育成はフォローが大事」ともおっしゃっており意外と見落としがちな部分を改めてシェアして頂きました。
■劇的な変化・年々高まる規制に対応するための、より洗練された営業組織変革について(楠根 健次氏 / 日本たばこ産業株式会社)
続いては、いくつかの失敗を経て従来の営業活動から総合的な営業活動ができるようになったお話を伺いました。タバコを取り巻く環境の変化とともに新しいシステムの構築をすることとなった同社ですが「クラウド化しくじり年表」とともに失敗をしたこと、逆に自信がついたことが語られました。
こちらでも大事なことはDXの目的は仕組みを入れることではなく、人をサポートすることである、というDX推進を実現してきたからこその経験談を伺うことができました。
■テクノロジーを知っているIT企業だからこそのSFA活用例 ~使われるSFAへの道とこれからの展望~(薄木 翼氏、井上 佳紀氏、山口裕子氏 / Sky株式会社)
こちらの講演は3人のプレゼンターによる掛け合いを交えながら進行。。元々は個々の営業マンの力量次第であった営業体制からDX推進による情報の見える化でチームの力で動ける体制になったお話や機械学習、音声認識を活用した営業現場でのDX推進について伺うことができました。
■Dynamics 365xPower platform 組み合わせで実現するデジタル時代の営業組織事例ご紹介(田中 進氏 / パーソルキャリア株式会社)
最後の講演では、同社が考えるツールの立ち位置として「ツールは目的達成までの一手段であり、ツール×人や組織でどう目標達成をするかが大事」という内容からスタート。そこからは 営業組織強化のためのIT施策を説明頂きました。SFA(Sales Force Automation)導入からDXの歩みの中では、紆余曲折ありながらも3年かけてDX推進を行い、マーケティング→インサイドセールス→営業→CSをつなぐ一貫したモデルを完成させ、デジタル化を進めたというお話も伺えました。
講演のあとは懇親会も行われ、Microsoft社の製品であるビジネス向けの対話型ホワイトボード「Surface Hub 2S」の体験ができるエリアもありました。
懇親会にはプレゼンターも参加し、参加者とプレゼンターとでざっくばらんに話す様子も垣間見え、筆者的にはまだまだ話足りなかったですが、5時間にわたるイベントは終了。
最後に、イベント終了後の振り返りとしてDX推進において筆者が印象に残ったことは以下2点です。
・ツール導入=デジタル経営の達成ではない!
・DX推進は人が行うので、人材育成はやっぱり大事
順調に進まないことがありながらも検証を繰り返してツールを導入する、ツールの導入で終わらせず、現場の声を吸い上げる等試行錯誤を繰り返すことで真のデジタル化を進めてきたプロセスが学べるイベントでした。
各社、今後も長期的にDX推進施策をおこなっていくとのことなので引き続き注目していきます。また、TECH Street会員の方の中でもDX推進に関するイベント主催や登壇の予定がありましたら取り上げさせていただきたいので情報をいただけると嬉しいです◎